-それは、ファンとしては夢のような展開ですね。それにしても本当に日本語が上手ですが、どうやって習得したんですか。
小学校4年くらいから自分で日本語の本を買って勉強していたんです。きっかけはファミコンだったんですが、ゲームを途中から続けるためには日本語のパスワードを覚えなければいけない。
それを間違えてしまったという事件があって、それでひらがなとカタカナを必死で覚えたんです(笑)。当時は、日本のゲームは日本語版しかなかったので。そこから日本語の専門のある高校に進んで、大学でも日本語学科で勉強しました。
-その日本語力と好きなサッカーが合わさって、今の仕事につながっているわけですね。現在は、どういう立場でどんな仕事をしているんですか。
去年まではムアントン・ユナイテッドを運営しているサイアム・スポーツの関連会社の社員として働いていました。ジュビロ磐田との提携に関する仕事や、ACL(AFCアジアチャンピオンズリーグ)に出場した時には浦和レッズと同じグループだったので日本での試合には帯同したりもしました。
あとは、日本の雑誌のタイ語版を作っている会社でもあるのでその契約の交渉など、サッカー以外の仕事もたくさんあります。日本語の学習サイトの運営など自分でやっている仕事もあって、いろいろとやりたいことがあるので、今年からはフリーランスの形で関わっているんです。ムアントンからは日本人選手が来た時はまた専属通訳をしてもらいたい、ということも言われています。
-ムアントンは財前さん以降、日本人選手が所属していませんよね?(注:取材後、ムアントンは日本人DFの青山直晃を獲得)
そうですね。でも去年、BECテロ・サーサナで活躍した岩政(大樹)選手がタイリーグでものすごい評価をされたこともあって、日本人のディフェンダーをほしいという動きは出てきていますね。