5.パスサッカーや守備のトレンドが逆効果に?

バルセロナの隆盛やJ1で広島が優勝した時のペトロヴィッチ監督スタイルの流行によって、パスサッカーをより重視する様になった。

ペトロヴィッチのスタイルは広島にJリーグ優勝をもたらした。しかし、「Jリーグに特化した」と言われる戦術は長期のリーグ戦こそ発揮され短期決戦には不向きである。

2010年のサンフレッチェ広島、2013年の浦和レッズ、そして今季とペトロヴィッチは3度ACLを戦っているが一度もグループリーグ突破を経験していない。

また、Jリーグでは通用するディレイ守備が、アジアには不向きという点がある。‏Jリーグはかつてのワシントン、フッキの様な強烈なフィジカルのある選手が減っており、強引に体ごとぶつかってくるような選手が少ない。アジアではディレイした守備をごりごりと突破する選手が少なくない。‏

かねてから日本サッカーの問題点について発言を行っているガンバ大阪MFのオ・ジェソクは「日本サッカーの短所は全チームが似たようなスタイルを追求している」と発言、今シーズンのガンバがグループリーグで2連敗を喫した後にも同じ趣旨の発言を残している。


6.「自分たちのサッカー」が先行するあまり、相手への対策が疎かに

2014年のワールドカップでは「自分たちのサッカー」という言葉が取りざたされたが、「自分たちのサッカー」にこだわった結果、パスサッカーの流行により最後までしっかり崩すことを意識するあまり自らハードルを上げてしまった。

同じくオ・ジェソクによると、似たチームが多いJリーグは相手側が"日本"対策をしやすいこと、それに対して試合の流れを変える力が足りない点を指摘している。

例えば、フース・ヒディンクであれば、2006年ワールドカップ・プレーオフの様に相手に合わせてフォーメーションや戦術、選手を大胆に入れ替えて持ち味をつぶす作戦をとるであろう。

昨年ACLを優勝したウェスタンシドニーは皮肉なことに元日本代表MF小野伸二を失ったことでゲームメイカーが不在となり戦術変更を余儀なくされた。きっちり守ってカウンターにかけるサッカーは不恰好であるが、"優勝"したわけである。


この様にJリーグのチームが勝てない理由を述べてきたが、明るい傾向もある。それは、日本のクラブはグループリーグ後半戦(第4節~第6節)の成績は良いということである。

特に最も良かった2010年は9勝1分2敗と大勝利している。ガンバ大阪の長谷川健太監督はグループリーグ第2節が終わった後に「ただ、あと4試合ありますから。」とコメントを述べた。まだまだ挽回のチャンスは残されている。

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