2013年11月、デリオ・ロッシ氏の後を継ぐ形でかつて自身が所属していたサンプドリアの監督に就任したミハイロヴィッチ。初年度から成績を向上させ、今季もジェノアにライセンスが降りなかったこともあってヨーロッパリーグ予選の出場権を獲得した。
高い評価を得てきたミハイロヴィッチ氏であるが、今季は契約の最後ということで早い段階から退任の意向を明かしており、クラブからの慰留を断りチームを離れることになった。
シニシャ・ミハイロヴィッチ
(サンプドリア監督)
「親愛なるサンプドリアのファンへ。ここに来てから最も困難な瞬間がやってきた。さよならを言う時間が。
これはサンプドリアの監督として最後の言葉になる。私のここでの冒険は終わりだ。そして、この機会を利用して全ての人にお別れを言うと共に、この決定に至った理由を説明したいと思う。
我々の順位については誇りに思っている。選手達は自信と勇気を持って正々堂々と戦った。この2年間で多くの成長を見せ、5名が代表に選ばれた。良い選手、いい男達のグループだった。
私は2年間やってきた仕事を誇りに思っているし、クラブも、ファンもそうだろうと信じている。
ここに残るという選択肢は簡単だった。私はこのクラブ、このファンに感謝している。しかし、それは自分の成長にも、そしておそらくチームの発展という点でも、正当ではないと感じた。私は目標を設定して、それを達成した。いま、私は違う挑戦を求めている。
そこに悲しみはない。我々は嘆くことはない。大きな笑顔でここを離れる。ここでプレーしたこと、監督をしたこと、それは二重の幸運だったと感じている。
私はファンの魂を抱きしめたい。信頼、愛情、そして支援を与えてくれたことに感謝したい。
今日のサッカーはしばしばビジネスになってしまう。しかし、情熱や昂揚なしには存在することは出来ないのだ。
会長にも感謝したい。私を求めてくれたし、常に優雅に、真面目に支援をしてくれた。マッシモ・フェレロは何度も私をここに残そうと説得してくれた。ずっと彼はそのエネルギーと情熱で我々を支えてくれた。
選手にも感謝したい。彼らが全てを与えてくれた。私は彼らに監督として、そして男として価値のあるもの、人生やキャリアにおいて役立つものを伝えたいと思っていたし、何かを残せたならば幸せだ。
最後に、ジェノヴァという街にも感謝したい。まるでここで生まれたかのように歓迎してくれた。いつかこの私のスタジアムに戻ってくる。決して敵にはならない。なぜなら、ジェノヴァはずっと私の故郷であり続けるからだ。
幸運を祈る。さようなら皆。永遠にサンプドリアを応援するよ」