『中央日報』は「Kリーグに2013年から導入された給与公開制度の是非について、全北現代のチェ・ガンヒ監督、プロサッカー連盟事務総長のハン・ウンス氏に話を聞いた」と報じた。
今夏水原三星に所属していた北朝鮮代表FWチョン・テセが清水エスパルスへ、全北現代で得点ランキングトップを走っていたFWエドゥが中国2部の河北へと移籍した。
Kリーグから相次ぐ選手の流出に懸念が示されるようになり、2013年に導入された給与公開制度が投資を押し下げているのではないかという指摘も行われるようになっている。
中央日報は反対派であるチェ・ガンヒ氏、そして制度を推し進めたハン・ウンス氏両方のインタビューを掲載した。
ハン・ウンス
(韓国プロサッカー連盟事務総長)
「(年俸公開制度に批判的な声がまた出ているが)
韓国のサッカーは過去30年の間足踏み状態で進展はなかった。それを踏襲していても未来はないではないか。今日食べて生きることだけを気にしていてはいけない。将来への投資と設計が必要になるのだ。
我々のあるべき姿を見てみようと言うことだ。化粧を落として「すっぴん」を見てみようではないかと。
(年俸公開制度が投資の萎縮に繋がったという主張には?)
プロ野球では年間100億ウォン(およそ10億円)を超える入場収入を得るクラブがある。
しかし、Kリーグ・クラシック12クラブの年間入場料収入を合わせても60億ウォン(およそ6億円)にもならない。昨年Kリーグ・クラシック全体の観客が180万人。その中で有料観客比率は64%に過ぎない。
投資というのは帰ってくる収入を念頭に置いて行うもので、そうでなければただの支出である。年俸公開制度にリーグの下方平準化や投資を萎縮させる意図は全くない。
(良い選手が退団し続けており、ファンの失望もある)
水は高いところから低いところに流れるもの。プロ選手は給与の大きなところに行くのは当然だ。我々は努力をして強くなり、アジアのトップリーグになれば、良い選手がここに向かって流れてくるだろう。
年俸公開をしなかったとしよう。そして今よりも少し高い給与を選手に支払ったとしよう。かといって、中国が野放図に投資を行うのを防ぐことは出来るか?
中国のああいう姿は、通常のことではなく、持続可能にも見えない。なぜ中国だけ見るのか。我々のモデルを探せば、Jリーグやアメリカ・メジャーリーグサッカーだ。
アメリカはコストを下げて収益を最大化させる政策をし、この20年間大成功を収めてきたではないか。
昨年のACLで優勝したのはどこか?オーストラリアのウェスタンシドニーだ。Aリーグのサラリーキャップはどれだけ厳しいか。
彼らは自治体にサポートされているのか?親会社が助けてくれるのか?自分たちの収入で支えているではないか。オーストラリアの有名選手もヨーロッパに進出する。だからオーストラリアのサッカーは弱くなっているか?
長期的に見れば、海外に進出する選手が多ければ刺激が増加して、選手層が広がる効果もあるではないか。短期的に難しい現象だけを見て過剰反応してはいけない」