新しいチャレンジで目標達成へ

- 今までのお話で、横浜ゴムがチェルシーFCとの関係を深めているのはうかがえました。

では今後、どのような方向性でチェルシーとのつながりをアピールしていこうとお考えですか。商品展開とか、今回のようなプレゼントキャンペーンなどにするのか。

関口:プレゼントにフットサル大会やサッカースクールなど、消費者を巻き込んだ展開を考えています。同時に、やはりSNSを重視していまして、Facebook、Twitter、Instagramといったプラットフォームを活用しています。Facebookでは、まだ英語版だけですが、タイヤ発表の所でも触れた「YOKOHAMA Chelsea FC」というアカウントも展開しています。

≪横浜ゴムが「YOKOHAMA CHELSEA FC杯」として企画しているフットサル大会と小学生向けクリニックの告知ページの冒頭画像。12月13日に東京・勝どきで開催、12月1日まで受付(https://yokohama-chelseafc-futsal.jp/)≫

- なるほど。

関口:今、YouTube等SNSで公開する動画の作成も検討しています。契約上、選手の登場も可能ですので、これはテレビCMよりもFacebookも含んだSNSでのショートムービーという形での公開を考えています。数名の選手にフォーカスして、それぞれが自身について語るというストーリーです。

- そして、横浜ゴムとしてはこのチェルシーFCとの契約で欧州やアジア市場でのシェアを伸ばし、「GD100」のフェーズⅣ計画を達成しようというお考えでよろしいのですね。

田中:その通りです。2017年度に売上高7700億円、営業利益800億円、営業利益率10.4%という目標を達成したいと考えています。

- もしそうなると、日系のタイヤメーカーでは2位の座も見えてきますね。

田中:何位かという問題ではないのですが、中長期的に見て、世界の「ビッグスリー」に続く集団の上位には上がっていきたいなと考えています。

- そのために、このチェルシーFCとのスポンサー契約の効果を最大限に使っていきたいというお考えなのですね。

田中:その通りです。

- かなり巨額の契約という報道も目にしましたが、それでも十分な費用対効果が見込めると。

関口:今までのお客様とはかなり違う層がこれからターゲットになります。従来の主要客層である車好きの方だけでなく、今後はサッカーファン、チェルシーファンに対してターゲットを広げていく事になります。これはすごいチャレンジです。チェルシーファンの方の購買行動を調べる事でより的確なマーケティングができるだろうと。ここは大きな方向転換で、今までやって来ていなかった事をやろうとしています。

- 女性の方へのアピールは考えていらっしゃいますか。

関口:サッカーファンでもまだ男性が多いとは思いますが、女性の方も含めて、どのような商品が売れるのか、どんなアピールをしていけばいいのかがより見えやすくなるでしょう。

- 女性という点では、昨シーズンまでなでしこジャパンの大儀見優季選手がチェルシーの女子チームに所属していましたね。今でも残っていれば良かったのですが。

関口:チェルシーレイディースも非常に強いチームですので、いずれは日本に来ていただければと願っています。

- レイディースも「YOKOHAMA TYRES」が入ったユニフォームになるのですね。

関口:はい、包括的な契約なので、レイディースも、ユースの若い選手も着ています。

- すると、そういった若い選手がチェルシーに入る事もありうるのですね。

関口:はい、そういう部分にも期待しています。チェルシーのユース育成プログラムの中で日本人選手が育ってくれればとも。リーガやブンデスと比べ英語を使う点でも、意志疎通はしやすい環境です。

【次ページ】「チェルシーファンとの一体化を」