アブトレイカはその理由について、「私は無罪であると主張したかった」と話したという。

ムハンマド・アブトレイカ

「私の金融資産は凍結されてしまった。しかし、私は有罪を認めないし、無罪であると完全に確信している。私はエジプトの司法に完全な信仰を持っている。

それが、私が見返りにお金を貰うことを拒否した理由だ。クウェートの王様を満足させられたことは素晴らしい名誉であり、彼のことは尊重している。

ファンから受け取った声援もとても誇りに思っている。それだけで、私は十分なんだ」

アブトレイカは昨年エジプトの当局に資産の一部を没収されている。その理由は「ムスリム同胞団に資金を提供した」という疑いからだ。

エジプトでは「アラブの春」から繋がる混乱によって政権が何度も代わったが、その中で一時権力を握ったのがムハンマド・ムルシ率いるムスリム同胞団だった。

しかしその後軍によるクーデターによって政権の座を追われ、ムスリム同胞団は暫定政権によって「テロ組織」と認定された。

そして、当局はアブトレイカが経営に参加していた観光会社アシャーブ・ツアーの資金がイスラム同胞団に流れていたとして、彼の資金を没収したのである。

アブトレイカは株式を既に2年前に手放しており、ムスリム同胞団に資金を融資したこともない、ムハンマド・ムルシと会ったこともないと宣言しているが、まだ無罪判決を勝ち取ることは出来ていない。

彼と当局の戦いはどのような結末を迎えるのか? 今後の動きは注目される。

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