モンペリエ(2011-12)

2000年代、リヨンが不滅の7連覇を記録したリーグ・アン。近年リーグを沸かせているのはカタールの石油資本のバックアップを受けて3連覇を達成し、現在は欧州のビッグクラブとして名を轟かすPSGだ。そんな両クラブの黄金期の狭間で初優勝を飾ったクラブが2011-12シーズンのモンペリエだ。

1919年に創設されたモンペリエは、クプ・ドゥ・フランス制覇こそ2度経験しているものの決して強豪チームではなく、2000年台はほぼ2部で過ごしていた。転機が訪れたのは2009年のリーグ・アン昇格だ。

ひさびさの1部リーグでレネ・ジラール監督は若手を積極起用。アフリカ系の選手たちの成長につなげ、1部リーグ復帰初年度の2009-10シーズンを5位で終えることに成功した。しかし、翌2010-11シーズンは14位と低迷。年間予算がわかずか3500万ユーロのチームはそのまま2部に戻るかと思われた。

だが、ジラール監督はチームを再生させた。2011-12シーズン、下部組織出身の選手とベテランを見事に融合させることに成功。開幕3連勝で首位に立つと、その後も2位以内をキープ。PSGとの優勝争いは最終節までもつれたが、ジョン・ウタカの2ゴールで逆転勝利して優勝を決めた。エースのオリヴィエ・ジルーは21得点を奪って得点王に輝き、マプ・ヤンガ=エンビワらの守備陣はリーグ最少失点を達成。まさに「ミラクル」にふさわしい結末となった。

モンペリエについても直近の成績をご覧頂きたい。

モンペリエの過去の成績

2000-01 ディヴィジョン・ドゥ 3位 昇格
2001-02 ディヴィジョン・アン 13位
2002-03 リーグ・アン 16位
2003-04 リーグ・アン 20位 降格
2004-05 リーグ・ドゥ 8位
2005-06 リーグ・ドゥ 12位
2006-07 リーグ・ドゥ 15位
2007-08 リーグ・ドゥ 8位
2008-09 リーグ・ドゥ 2位 昇格
2009-10 リーグ・アン 5位
2010-11 リーグ・アン 14位
2011-12 リーグ・アン 1位 優勝
2012-13 リーグ・アン 9位
2013-14 リーグ・アン 15位
2014-15 リーグ・アン 7位

リーグ・アンで上位成績を残したのは2009-10シーズンの5位と優勝した2011-12シーズンのみである。彼らがどれだけの「ミラクル」を成し遂げたか理解することができる。

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