グループH
広州恒大(中国)
シドニーFC(オーストラリア)
浦和レッズ
浦項スティーラーズ(韓国)
<展望>
前回王者、広州恒大に浦和が挑む展開が予想される。
アトレティコ・マドリーからコロンビア代表FWジャクソン・マルティネス(29)を補強した広州恒大だが、年々所属する中国スーパーリーグのレベルが高くなっており、リーグ戦とACLをいかに両立して戦えるかがカギ。アトレティコBから獲得した中国U-23代表MFシュウ・シン(21)ら伸び代のある若手が奮起できなければリズムを崩し、“波乱”が起こる可能性も。
浦和は個人能力では高いレベルを誇るものの、荒く乾燥したピッチが多いアジアでいかに勝ち上がっていくかが課題。場合によっては戦い方を柔軟に変える必要もあるだろう。
5年間チームを率いたファン・ソンホン監督(47)、韓国代表FWコ・ムヨル(25)ら主力数選手が抜けた浦項、昨シーズンのAリーグ得点王に輝いたオーストリア代表FWマルク・ヤンコ(32)の穴を埋められずにいるシドニーFCは苦戦が予想される。
<注目アジア選手>
◆名前
鄭智/チョン・チー(広州恒大)
Zheng Zhi
◆国籍
中国
◆生年月日
1980年8月20日生まれ(35歳)
◆ポジション
MF
広州恒大の中盤を長らく支えるコントロールタワー。やや下がり目の位置で攻撃を組み立てる機会が多く、積極的に前線に顔を出す元ブラジルMFパウリーニョ(27)よりは目立たない存在である。
Gong Xi Fa Cai to Zheng Zhi and who's celebrate in the world. pic.twitter.com/SAJAFj1NP5
— Football Newspaper (@Football_Quisz) 2016, 2月 6
ただ、新加入のFWジャクソン・マルティネスが前任者のエウケソンばりに周囲の選手を使うほどチームにフィットしていないことが予想されるため、チョン・チーら下がり目の選手から彼へ縦パス1本を通すパターンが多くなる可能性が考えられる。
浦和としては新加入の日本代表MF遠藤航(23)や元日本代表MF阿部勇樹(34)らがパスを出すタイミングを窺い、事前に芽を摘んでおきたい。
◆名前
アリ・アッバス(シドニーFC)
Ali Abbas
◆国籍
イラク/オーストラリア
◆生年月日
1986年8月30日生まれ(29歳)
◆ポジション
DF・MF
イラク代表歴を持つ左利きの左サイドバック。
イラクリーグの名門アル・クウワ・アル・ジャウウィーヤで頭角を現し、2008シーズンからオーストラリアでプレー。昨シーズンは左膝の靭帯断裂により1年以上の離脱を余儀なくされたが、今年1月のAリーグ、ニューカッスル・ジェッツ戦で復帰ゴールを挙げた不屈の精神を持つ。
左サイドバックながらゲームを組み立てる能力に秀でているため、後方からのビルドアップを重視するアーノルド監督好みの選手といえる。ただ現在は負傷明けということもあり、試合終盤にニュージーランド代表FWシェーン・スメルツ(34)と共に切り札として投入される場面が多い。
浦和としては彼が投入される時間帯がシドニーにとって"勝負"のタイミングであると覚えておいた方が良い。対峙する浦和の右サイドは昨年のチャンピオンシップで関根がスタミナ不足を露呈しており、守りに入るための交代カードも用意しておくべきだろう。
※ちなみにアッバスはオーストラリア国籍を取得しており、アジア枠の選手ではない。一国の代表に選出経験のある選手が後に他国の国籍を取得するケースとしては、パレスチナ国籍を持つ山東魯能の元ブラジル代表MFジュシレイ、アルビレックス新潟の元ニュージーランド代表DFフィッツジェラルド舞行龍ジェームズ(マイケル・ジェームズ)らが挙げられる。
筆者名:yosuke
杜の都、仙台を中心に活動している20代。小学生の頃にアジアのエスニックなユニフォームデザインに魅力を感じ、独自に情報収集を開始。歳を重ねる毎にアジアサッカーの虜となる。FKでの得点が大好物だが、これまで10年以上のアマチュア選手キャリアの中で1度もFKを蹴ったことがない(なかなか蹴らせてもらえない)。またベガルタ仙台やソニー仙台、コバルトーレ女川といった地元クラブの応援にも熱を注いでいる。
Twitter: @maimaidenden