画面上、数えられるだけで名古屋のフィールドプレイヤーは8人、もしかしたら味方である広島の選手も騙される意表を突いたパスから、佐藤のメモリアルゴールは生まれたのである。

ウタカは昨年33試合21ゴールとMVP級の働きでサンフレッチェ広島をJ1優勝に導いたブラジル人FWドウグラスの後釜としてやってきた。

そのドウグラスは先日、UAEのアル・アインで豪快にハットトリックを記録するなど、移籍後7試合6ゴール(公式戦9試合7ゴール)と絶好調。広島のサポーターは今になってドウグラスが抜けた穴の大きさを感じていることだろう。

ウタカとドウグラスのタイプは全く異なる。ドウグラスは変化を付けられる選手ではないが、スピードと高さがあり、広島に加入して得点力も大きく開花させた。

一方のウタカは風貌こそ重戦車的なFWのようだが実は視野が広く、驚異的なキープ能力を持つ。普段はのらりくらりと息を潜めているが、ひとたびボールを持つと独特のリズム&閃きを発揮。眠ったように見せかけて一瞬で流れを変える、まるで酔拳の使い手のような選手である。

そのウタカが現時点ではあまりフィットしていない。特徴を見ればトップ下(シャドー)の適正は高そうだが、やはりFWとは勝手が違うようで特殊な広島のサッカーに戸惑っていることを本人も認めている。

ドウグラスも加入直後は控えで、活躍し始めたのは2ndステージになってからだった。今年はACLもあるため昨年とは状況が違うが、広島はウタカのフィットを忍耐強く待つことができるだろうか。

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