ジョセフ・ドス
「(家族は?)
私は松葉杖を持って生まれてきたわけではない。しかし、我々は運命を受け入れなければならない。家族は私を助けてくれた。兄弟も、妻も、子供も、誰もが私のそばにいてくれた。
彼らの助けを最も必要としていた時、家族がそこにいてくれた。それを神に感謝している。友人も、辛いときにそばにいてくれたんだ」
「(事故を経験した後、今世界についてどう思う?)
足が動いても動かなくても、人生は同じものだよ。どんなことがあっても、何かを目指して努力をする。そのようなものだと信じている。
私は、あの時点ではサッカーで楽しんでいた。ただ、事故がなかったとしても、ある日引退の日を迎えるものだ。
あのとき私は引退した。そして、この命とともに歩んでいった。神は引退した後の私を祝福してくれたし、その名前を呼び続けている。
何が起こったかはともかく、私は引退した。そして、人生を楽しんでいるんだ」
「(ナイジェリア代表の中で呪術が行われ、それが君の事故に繋がったという皮肉も噂になった)
私は、これまで代表チームにおいて呪術が使われたところは見たことも聞いたこともないよ。私は呪術は信じていない。神の存在は信じているけどね。
もしそれが事実だったとしても、私は知らないし、使ったこともない。神が全てを司っていると信じている。誰かがブードゥーを使っているところも見たことはない。一緒に祈り、ともに試合をしているだけだよ」
「(あなたが呪術を怖がってスパイクを隠していたという記事もあったね?)
それについては知らないよ。私が知っているのは、代表チームでは1つの家族のようだったということだけだ。そんな物語がどこから来るのかは、分からないね」
「(なぜ事故のトラウマを克服できた?)
それは私が成し遂げたものじゃないよ。神のおかげだ。私は決して諦めないという哲学を持っているんだ」
「(事故から何を学んだ?)
私が学んだのは、どんな状況にあったとしても諦めてはいけないということだ。どんなに厳しいように見えてもね」
「(ジョセフ・ドスからの「人生のアドバイス」は?)
人生というのは、チャレンジに尽きる。どんな状況であろうともね。決意と規律を持って打ち込まなければならない、そんなものを見つけよう。
そして、信心深くあろう」
元ナイジェリア代表「松葉杖のコーチ」が語る、下半身麻痺からのサッカー人生
Text by 石井彰(編集部)
カズに憧れて全身赤のスーツを買ったことで校内一の人気者になったが、中身が伴わず一発屋で終わったというエピソードを持つ島根県出身のエディター。その影響か赤いチームを好み、ヴァランシエンヌ、レイションエス、ノッティンガム・フォレストなどを応援している。
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