アシストを記録した場面でも、その直前に披露したスピードは圧巻だった。
自陣深くでボールを奪った味方のパスは、相手選手との競争に。しかし、猛烈なスピードで一歩先にボールに追い付くと、そこからは影をも踏ませぬ速度で右サイドをぶっちぎった。
このカウンターの起点となった味方の前方への大きなパスを見ると、すでに浅野のスピードが大きな武器であることをチームメートはしっかり認識しているようだ。
そして68分に交代。ゴールは生まれなかったものの、サポーターから大きな拍手を受けている。
先週、ヨス・ルフカイ監督の電撃辞任に「所属チームでの監督交代というのは初めて」と残念がった浅野。
しかし、「決して下を向くことはなくポジティブに考えることができています」と、この試合でも最適とはいえない右サイドで起用され、FWとは違う限定されたスペースのなか足元のコントロールが乱れたり、相手を背負ってボールを受けた際には潰されることもあったが、一方で圧倒的なスピードで相手を混乱に陥れていた。
この“豪脚”はもしかしたら宮市亮(ザンクト・パウリ)に匹敵するかもしれない。奇しくもその宮市は現在、同じドイツ2部の舞台でプレーしている。両者は今季、浅野が加入する前の8月8日の開幕戦で既に対戦しているが、1月に開催予定の折り返しとなる直接対決が今から楽しみである。