2. 年間30億円。チームに配分された放映権料
2012年にJリーグと5年間の契約延長を行った『スカパー!』。
現在、年間の放映権料は推定30億円と言われており、この5年間でJリーグに150億円を投資してきた計算になる。
Jリーグ人気が低迷するなか、あのタイミングで『スカパー!』が手を挙げなければJリーグの経営は一体どうなっていたのだろうか。考えるだけでも恐ろしい。
日本経済新聞出版社から発売されている「Jリーグ再建計画」には、『スカパー!』のJリーグ中継は赤字であるといった旨が記されている。具体的に検証の方法がないので何とも言えないが、少なくもとJリーグの放映権ビジネスで儲かっていたとは思えない。
そうした状況でも、『スカパー!』は10年間にわたってパートナーシップを結び、良質なサービスを配信し続け、さらにはオンデマンドサービスの導入にも踏み切った。
そこまでして投資を続けた理由は、商売以外の様々な部分でJリーグの理念に共感したからに他ならない。こうした『スカパー!』の存在を救世主と言わずに何と呼ぼうか。ある意味で奉仕的とさえ言えるパートナーシップだ。
『スカパー!』から支払われた莫大な放映権料はJリーグを通じて各クラブへと還元され、「配分金」という形でチームの血となり肉となった。
また、昨年からは『スカパー!』の手動でプレシーズンカップが行われ、Jクラブにとって貴重な実戦の機会となるだけでなく、賞金も用意されている。Jユース世代の大会も、放送という形で大きな貢献をしてくれた。
世界的にもサッカー中継はインターネット配信へと移行しつつあるため、今回に関しては時代の流れに逆らうことができなかっただろう。
しかしそれでも、純粋な資金面で『スカパー!』がJリーグに果たした役割はあまりにも大きいということを私たちは忘れてはならない。