Jリーグではパナソニックなど複数のメーカーの照明が現在使われている。その中には、フィリップスの文字はない。しかし、ベガルタ仙台が使っている照明機器の電球はフィリップスのものである。
これまでもフィリップスはJリーグと間接的にかかわりをもっていた。今回、セレッソが64機導入する「ArenaVision」はEURO2012などでも使われてきたものになり、うがった見方を恐れずに言えば、「ついに狼が牙をむいた」「黒船襲来」といったところだろうか。
安い?高い?LEDのメリットとは
つまり、これまでフィリップスは照明機器をスタジアムに建設する体制がなかったためライトのみを納入してきた。先週発表された新商品はLEDの照明「機器」であり、初めてスタジアムに納入するためのアイテムを打ち出してきたことになる。
フィリップスのLED照明機器新商品
従来の照明に比べてLEDというと省エネ効果があげられる。GEライティングの資料では50%の省エネ効果があるとしている。
今回のセレッソ大阪の練習場のケースでも、省エネ効果があることからランニングコストが抑えられると考えられている。
セレッソ大阪が導入する「アリーナビジョン(Arena Vision)」
しかし、LEDの照明機器は明るく、省エネである代わりに従来の機器よりお値段が高いとのこと。つまり、これまで20台の照明機器を買う予算を10台のLEDにあててもらえば、明るさをこれまで通り確保し、ランニングコストを抑えることができる。
明るいだけじゃないLEDの魅力
次にLEDはショービジネスの世界で飛躍的な発展をしてきたことがあげられる。それは、アメリカでマドンナのようなスターのコンサートやライブの演出で使われてきたからだ。
現在はスポーツのスタジアムも試合がない時には音楽や芸能に使ってもらうこともあるだろう。現在のLED照明機器は一台一台がインターネットでつながっておりスタジアムの管理室ではボタン1つでプログラミングした演出を行うことができる。
世界でのフィリップス・ライティング導入ケース
フィリップスはこれまでキエフ・オリンピック・スタジアム(ディナモ・キエフ)、アリアンツ・アレナ(バイエルン・ミュンヘン)、アムステルダム・アレナ(アヤックス)、スタンフォード・ブリッジ(チェルシー)など多くのビッグクラブのホームスタジアムへ照明機器を導入してきた。
特にアムステルダム・アレナはアヤックスの本拠地でありながら、ライバルPSVのスポンサーから機器を導入してまでも最先端のシステムを兼ね備えるチャレンジをしている。
その中にはスタジアムでリフティングをする少年にスポットライトをあてるといったショウビジネス的な使い方もあるという。
セレッソ大阪の新スタジアム2020年予想図2
また、スタジアムの外装をLEDにしてしまえば、その模様を自由に変えることができる。そのために、広告をとってきて表示することができる。スタジアム全体を電光掲示板のような使い方ができるのだ。