私の質問に対し、松崎委員長はこう答えました。
「本当は1回戦も水曜にしたかったが、各県協会の皆さんのご意見に配慮して週末開催にしました。こういう配慮をしたので、皆さんも喜んでくれるでしょう」
確かにその配慮はなされたのでしょうが、出発点が低すぎる気がします。
基本的には週末、それも多くは日曜の日中開催にして仕事への影響を最小限に考えているアマチュアの地域リーグでも、どうしても抜けられないという理由で主力選手が「謎の欠場」をする話はしばしば聞きます。基本はアマチュア同士の対戦になる1回戦を水曜の夜に設定して、2週間前に本大会出場が決まったビジターチームを全国各地で移動させようという発想自体がありえません。
旅費・宿泊費基準額の増加でクラブ負担を減らそうという姿勢は分かりますが、1回戦から2ヵ月の余裕があっても各選手個別のやりくりは大変で、「ベストメンバー」で試合に臨めるかはかなり難しいからです。
もちろん、この問題に「正解」はありえません。代表招集で中心選手を抜かれたまま、アジアにもつながる天皇杯を戦う事への不満を、特にJ1の強豪クラブが持っていても不思議ではないからです。
それを承知の上で、やはりJFAにはもう少し都道府県代表への配慮を強めて欲しいとも願います。アマチュアチームの選手にとってJクラブと公式戦ができるのは最初で最後かもしれませんし、それなら最高の状態で戦っていただきたいからです。
今年もメインビジュアルで『GIANT KILLING』のジーノ選手を使い、特別協賛のスルガ銀行が「SURUGA I DREAM Award」を出すのなら、その可能性を広げる方向でのセッティングをお願いしたいです。代表選手も登場できる日程にしたいのなら、ベスト16が出そろった後の8月7日に組み合わせ抽選をするラウンド16(4回戦)以降でも良いのではないでしょうか。
これは来年以降の課題として、協会に期待しています。
JFA公式サイトからダウンロードできる天皇杯のポスター。モデルはETUの司令塔、ジーノ。