鳥と猫とのバトル

今回の総選挙でニューカッスルの市役所がどんな事を考えていたかは分からない。また、早く終われば経費節減になるが、選挙の開票作業は人命救助と違って一分一秒を争う業務ではない。

しかし、BBCが伝えているように「サンダーランドが全英で結果を発表する」のなら、ライバル心を燃やしていたのは想像できる。

結果として、今回の一番乗りはニューカッスル・アポン・タイン・セントラル選挙区。2番目だったサンダーランド・サウス選挙区よりも「BBC Election」ツイートでは9分早く、投票終了からわずか61分後の8日午後11時01分(日本時間で9日午前7時01分)に結果が発表された。

その後も両市の開票スピード対決は続き、日付が変わった9日午前0時04分にはサンダーランド、14分にはニューカッスルにそれぞれ3つある選挙区が全て結果発表を終えた。この時点で、全英の残り643選挙区で開票が終わっていたのは1つしかなかった点からも、両都市の意地の張り合いが分かる。

なお、結果は6選挙区で全て野党の労働党が勝利し、議席を守った。

そして、2015-16シーズンの残留争いにおいて、勝ち点差2の18位で降格した「マグパイス」(カササギ)ことニューカッスルは今シーズン、チャンピオンシップ優勝により1年でのプレミア復帰に成功。一方、17位で残留した「ブラックキャッツ」サンダーランドはプレミアで最下位に沈み、10年ぶりの降格となった。

今回の総選挙でも全世界にそのライバル関係を見せたが、サッカーでのダービーマッチは次にいつ実現するのか、両都市の対決はこれからもピッチ内外で目が離せない。

筆者名:駒場野/中西正紀

サッカーデータベースサイト「RSSSF」の日本人メンバー。Jリーグ発足時・パソコン通信時代からのサッカーファン。FIFA.comでは日本国内開催のW杯予選で試合速報を担当中。他に歴史・鉄道・政治などで執筆を続け、「ピッチの外側」にも視野を広げる。思う事は「資料室でもサッカーは楽しめる」。

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