イランのテヘランで行われた、W杯アジア最終予選、対イラク戦。

多くの人間はこの試合の勝利を信じて疑わなかったが、結果はよもやの引き分けに終わった。

イラク代表を下に見るつもりはないが、予選敗退が確定していた相手だ。本来であれば、「勝ち切って当たり前の相手であった」と評しても問題ないだろう。

しかし、その思惑通りにはいかなかった。

本田圭佑のコーナーキックから大迫勇也のヘディングで先制をするまでは良かったが、その後は、低調なパフォーマンスに終始。

チームの重心はずるずると後ろに下がり、イラクの単調な攻撃に付き合い続けた。

ボールを奪えども前線に収まらず、キープが出来たかと思えば、周りとの連動性はなし。

何度かカウンターを狙えるチャンスはあったものの、鈍行列車のごときスピードで始まる攻撃に怖さはなく、原因不明の連携ミスも散見された。

サッカーをするべきではないコンディション下であったことは事実だが、それを言い訳には出来ないだろう。

「自らが主導権を握り、ゲームを首尾良く進められる状況」であったにもかかわらず、この体たらくを見せられては、誰一人その内容に満足出来るはずもない。