ジャイアンツだけじゃ、夢がない!
――アマチュアチームとしてのトレーニングというのは大変ですか?午前に練習して午後にスクールで指導。昨年までは週3回だったとか。
草木:そう。笑うやろ?土曜日ゲームやったら週2回。1回フィジカル、もう1回が戦術。今は一日増えたけどね。ただ日曜日に試合やと、土曜日休み(笑)
――試合前日オフですか!その中でどんなところに気をつけて練習しているんですか?
草木:まず動き回れること。そういうフィジカルトレーニングを1年間通してやる。技術的なところは大半が映像を見ての作業になるね。練習前に毎週ビデオを作る。「また同じところを編集しとるわ…」と思いながらね(笑)
松本:編集も監督がやってくれるんですよ。いつも怒りながら(笑)
草木:またこれや!とかね。4時間くらいかかって、終わったら目がおかしくなっとるね(笑)
松本:プロみたいに綺麗な映像はないじゃないですか。僕らが撮ってるものやから、米粒みたいな感じでね。
――映像資料はどう手に入れているんですか?特に全社は前日まで相手がわかりませんよね。
松本:前乗りで選手が行ったり社長が行ったり。あとはクラブ同士の関係があるから、相手と同じリーグのクラブに頼んだり。うちにも要望が来ますね。
草木:全社は大変よ!どっちが勝つかわからないからどっちも見て、宿舎帰って作って、晩飯終わったら流さなきゃならん。
松本:午後2時キックオフの試合を、午後8時には完成させないといけない。
――…それは大変ですね。JFLに昇格するためにはそこを勝ち抜かなければならないわけですが、何を成長させなければならないですか?
草木:やっぱりメンタル的なタフさかな。その他はスピード、力強さ。テクニックよりは、スピードのほうが大事やね。
――JFLと地域リーグのレベル差は?
草木:あるね。強さ、速さは2枚ほど上やね。ただ、選手は15分やれば慣れるよ。
――4月23日には天皇杯でカターレ富山(J3)と戦いましたね。その時も差は感じました?
草木:いや、その時は感じへんかったね。(ロングボールを)蹴ってきよったからね(笑)。「立山連峰に届くくらい蹴ってきよった」って(記者に)言うたよ。
松本:それ、記事にそのまんま載ってましたね(笑)
草木:カウンターしたろうと思ってたから中盤を5枚にしてあったんやけども、パスを入れてこなかった。
我々の感覚では、J3はまだJリーグではない。ただ、日本のサッカーにはそのようなチームが必ず必要になると同時に、今の間に基盤を作っていかなければならない。今後J3にも入れ替え戦が始まると、都心部のクラブばっかりになっていくかもしれん。
それではジャイアンツばっかりになってしまう。それでは広がりがなくなってしまうし、子どもたちの夢も難しくなるよね。