データを見ると、その変化がよく分かる。
ギャンガン戦のヒートマップを見ると、ネイマールはほぼ中央に陣取り、守備のために後方へと下がることもなかったことが示されている。一方、その次のトゥールーズ戦では左サイドを主戦場とし、守備のために下がる場合もあった。
タックル数はギャンガン戦の1回に対して、トゥールーズ戦では4回と劇的に増加した。インターセプトも、ギャンガン戦では0だったのに対して、トゥールーズ戦では1回記録している。決して前方からハイプレスを仕掛けるわけではないPSGの前線の選手がインターセプトを記録したことは守備貢献が十分以上であったことを示している。
また、昨季は1試合に11km走る試合もあったカバーニと比較しても、表の通り1試合平均タックル数は倍近く、インターセプト数も遜色ない。クリア数が0なのは、細身故コーナーキック守備に参加していないからだろう。
守備にも精を出すようになったネイマールは、自らのリズムを取り戻して5得点に絡む圧巻の活躍(試合は6-2でPSGが勝利)を披露。「最強のチームプレーヤー」であることを示したのだった。
この起用法が正しいことを確信したエメリ監督はその次の試合以降もネイマールに守備のタスクを課し続けている。