エゴを小出しにしようとして、大きな物議を醸したこともあった。
最初の1か月ほどは理想的過ぎるくらい“忠実な新入り”として振る舞っていたネイマールが、第6節のリヨン戦で、それまで何も言わなかったPKキッカーについて、カバーニに詰め寄って自分に蹴らせるよう要求したのだ。
チームに馴染みつつあると感じて権限の拡大を図ったのかもしれない。しかし、庶民離れした移籍金と年俸をもって移籍した彼への世間の当たりは想像以上に強く、平和的解決を強いられることになった。
騒動以後は交互にFKを蹴るなど歩み寄りの姿勢がみられている。この辺りの柔軟性もネイマールの特徴だ。
ネイマールが欧州で成功した理由
ブラジルの歴史を振り返ると、ロビーニョやデニウソンのように派手なドリブルで脚光を浴びた選手が数え切れないほどいたが、彼らは欧州で大きな成功を掴めなかった。
ネイマールもまた、派手な私生活と過剰ともいえる報道もあって、一見すると同じような選手だと勘違いされることもある。しかし、その虚像とは全く違う非常に献身的な姿勢こそが、彼をここまでの選手に押し上げてきたと言えるだろう。