DF:アルベルト・モレノ

どうやったら物事はうまくいくのかにおいて、面白い事例だ。

今季が始まるにあたり、モレノの将来がアンフィールドにあるとは思えなかった。昨季はMFであるジェームズ・ミルナーが左SBとして起用され、彼はポジションを失った。

だが、この地位降格にもかかわらず、モレノのスピリットは壊れていなかった。特にこの類の屈辱は退団につながりかねないにもかかわらずだ。

モレノはチャンスを待った。ハードワークを続けば、クロップが彼を戻すことを信じて。そして、今季それは起きた。昨季は出場12試合のうち先発はわずか2試合だったが、すでに9試合でスタメン起用されているのだ。

まだまだ完全なる変貌とは言えない。彼がパオロ・マルディーニの再来だと考えるものは誰一人としていないだろう。

とはいえ、もはやモレノはクロップのスカッドにおける“最悪の選手”ではない。当てになる存在だ。

彼がボールを持つ度にサポーターたちはかたずをのんでいたが、それは逆になった。今季ここまではどのチームメイトよりも多くのタックルを決めている。

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