PK戦は ざんこくなものです
宮崎がやったのはファーストプレッシャーの形だ。チェックに行けなかったウイングバックは、3バックのストッパーに受け渡してもいいからボールホルダーへ向かう。
ここが下がらないからボランチやトップ下もプレスに行ける。一瞬最終ラインが止まれるから、全体のブロックも下がらない。
これまで守備の際に「いるだけ」になりがちだった3バックの3枚が、流れの中で有機的に動き始めたのだ。
だからこそ、宮崎が賭けていた2トップのスピードも生きた。
51分には大ベテランの高地系治選手が同点ゴール!右からのシュートをエリア内でちょこっと合わせて決めた。
さらに78分にはセットプレーから追加点!土断場で宮崎が大逆転!…だったのだが、これで終わらないのが地域チャンピオンズリーグである。
これでまた下がってしまった宮崎は、自分たちがペースを掴んだ要因を手放してしまう形になったのだ。
女川は再び押し込める展開を手にして、86分に同点ゴールを奪取!最後の最後で試合は2-2の引き分けに…。
おそらく、宮崎は「2トップと女川のDFの対人戦に持ち込めば勝てる」という算段があったからこそ、最初にカウンターを狙ったのだろうと思う。オープンにすればするほど、この局面だけの勝負が強調できる。
しかし、オープンにしすぎると今度は自分たちがやられすぎて、そんなことすらできなくなってしまうということだ。
「相手に多少やらせておいてカウンター」というのはブラジルがよくやる手ではあるが、簡単にやれることではないんだよと。そういうことですな。
ともかく、この大会は引き分けになるとそのままPK戦を行うことになり、勝利した方に勝点2、負けた方に勝点1が与えられる。
両者が2人目まで決めたあと、女川の3人目が左ポストに当てて失敗。
しかしその後宮崎の4人目が右ポストで失敗、さらに5人目のコースも甘くなって女川GKがストップ!宮崎は最後で2連続ミスとなり、ここでも逆転負けに…。