デヤン・ロヴレン
「正直に言って、我々は満たされていた。何の問題もなかったはずだった。全ての隣人と上手くやっていたんだよ。
ムスリムも、セルビア人も、皆が皆お互いに話し合って、人生を楽しんでいたんだ。そして、それから戦争が起こった。
全てを説明することはできるが、その真実は誰も知らない方がいい。あれは起こってしまった。あの夜にすべてが変わった。戦争が起こった。3つの違った文化の間で。
人々は変わってしまった。サイレンの音を覚えているよ。ただ怖かった。爆弾のことが頭から離れなかった。
母が僕を連れて地下室に連れて行ったのをよく覚えている。その警報がどれだけ続くのかわからなかった。
それから、母と叔父、叔母が僕を車に載せた。それからドイツへとたどり着いた。17時間のドライブだった。
我々はすべてを失った。家も、店も、食べ物も。手元にはバッグ一つだけ。そして、『ドイツに行こう』と言った。
幸運だったんだ。僕も家族もラッキーだった。祖父がドイツで働いていたから、その許可があったんだ。
そうでなければ、我々はどこに行っていたかわからない。おそらく、地下に潜るしかなかったはずだ。そうなったらどうなっていたか。
高校で親友だった男――彼の父親が兵士だった。彼が毎日泣いていたことをよく覚えているよ。
『なぜ?』と聞いたら、『父が死んだ』と答えたんだ。そして、それはもしかしたら自分の父親に起こっていたかもしれないんだ」
【Playback!】戦争に翻弄されたロヴレン、世界に渾身の訴え
Text by 編集部
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