先日大きな話題を集めたフィリペ・コウチーニョの移籍。

リヴァプールで長く中心選手として活躍してきたが、この冬のマーケットでバルセロナへ加入することになった。

その移籍金はおよそ1億4000万~4600万ポンド(およそ216.1~225.3億円)。サッカー界の歴史上2番目の高額取引となった。

その背後にいる代理人は、46歳のイラン人実業家キア・ジューラブシャンである。

テヘランで自動車ディーラーをしている父の下で生まれたキアは、その後カナダとイギリスへと移住。

幼少期からアーセナルのファンとしてサッカーに親しんできた彼は、ロンドン大学クイーン・メアリーでビジネスと化学を学んだ。

国際石油取引所のビジネスマンとして働いたあと、アメリカで株式や資金管理業に関わり、2004年にスポーツ事業へと進出する。

メディア・スポーツ・インヴェストメンツ(MSI)を設立した彼は、当初アーセナルを買収しようとしていたとのことだが、あまりにも価格が高すぎるために断念。

最終的にはブラジルの名門コリンチャンスを買収し、友人であるサッカー代理人ピニ・ザハーヴィとともに改革に動いた。

そこで獲得されたのが、ジューラブシャンの顧客でもあったカルロス・テベスとハビエル・マスケラーノだ。

その取引の一部はチェルシーのロマン・アブラモヴィッチが関わっていたとも言われている。

ただ、その後この取引への違法性が取り沙汰されることになり、コリンチャンスとMSIの関係は悪化。テベスとマスケラーノはイングランドのウェストハムへと移籍することになり、2007年に提携は解除された。

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