タイトルホルダーとしての新たな戦い

続いて、楽しみにしている二つ目ですが、それは「二冠クラブ」となったことでの変化。

クラブが一つ上のステージに上がったことにより、どのような“強いセレッソ”を見せてくれるのかというところです。

2017シーズンが始まる時、キャプテンである柿谷曜一朗選手は言いました。

「この1年で、良い土台を作っていきたい」

その言葉には、ユース時代からこのクラブを見てきた選手として、またキャプテンとして「セレッソをより強いクラブにする」という、一種の“覚悟”のようなものが滲み出ていました。

そして、今その言葉を思い返してみると、柿谷選手が感じていたその気持ちは、他の選手たちも同様に持っていたのだと感じます。

現に昨年の1年間は、どんなに良い結果が続いても、選手の表情、練習の雰囲気は緩みを見せることがほとんどありませんでした。

それは、もちろん、90分間の試合の中でも同様で、強い“覚悟”を胸に選手たちが戦っているように感じ取れました。

今までのセレッソの歴史を振り返ると、私が応援している過去5年間だけ見ても「ジェットコースター」のように良い時期と苦しい時期を過ごしてきたように思います。

そういった経験を経て「常に上位であり続けられるクラブを目指す」という思いで、2017年を戦った選手が多くいたのではないでしょうか。

昨季を常勝軍団への礎にするために

選手は必死に走り続け、サポーターは全力で声を出し続け、全員の力で悲願を達成したセレッソ。

これまでは技術的な長所が目に行きがちでしたが、今はそれだけではなく、そこに強い一体感が加わっています。

「これは常勝軍団になる一歩。自信にしていいと思う。ただ、調子にノッたら危ないのがセレッソ。良い意味でも悪い意味でもね」

昨シーズンからセレッソに加入した水沼宏太選手からは、天皇杯決勝後、笑顔の中にも次のシーズンに向けての引き締まった気持ちが見えていました。

たしかに、セレッソには良くも悪くも調子に大きく左右される“クセ”があったかもしれません。

ですが、選手自身がこれまで抱えてきたその課題を熟知しているのであれば、もうこれは期待せざるを得ないのではないでしょうか。

今年は、ただ調子にノっているのではなく、“良い意味で”ノッているセレッソが見られるはず。

「好成績の翌年は苦戦する」というジンクスもありますが、そんな嫌な説も跳ね除けてしまうでしょう。

「二冠を獲り、しっかりとした土台を作った後、常勝軍団への道が始まりました」と、来年のこの時期に振り返られたら最高ですね!

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