(マルセイユでの最初の日について教えてくれる?)
「多くの書類にサインしたよ。それから車を借りて、領事館に情報を貰いに行ったんだ。
生活のこと、安全のこと、避けるべき場所とかね。それから家族が来るのを待った。1週間後に来てくれたよ。その準備をしたいと思っていたよ」
(君が来てからマルセイユは大きく変化した。オーナーも、会長も、監督も。この変化は君を苦しめた?)
「いいや。この種の変化は起こると言われていたからね。重要なのは、このクラブが進化すること。僕はエリートの素晴らしい選手ではないからね」
(君は謙虚だね。いつも自分は偉大じゃないと話す。なぜ?)
「控えめなわけじゃないよ。現実的なだけだ。技術的に素晴らしい選手になることは、難しいと思っている。
ただ、ピッチの中でいい選手になりたい。チームの勝利に貢献できるようなね。僕はチームの組織としての働きに全力を尽くしている」
(ここに来てから一番の驚きは?)
「ヨーロッパの気候と言えば、僕はいつもドイツが基準だった。マルセイユのような晴れる場所があるなんて知らなかった!
クラブが我々をどれだけケアしてくれているか、それについても驚いたよ。
マルセイユは僕の家族のために様々なことをしてくれた。家を世話して、ビザを取って、車も…。問題があればすぐに解決されるんだ。
それにはびっくりしたよ。日本ではこんなことはなかったからね」
(マルセイユには素晴らしい雰囲気があるね。仲間が君にアドバイスをしているのもよく見ているよ。どんな感覚?)
「仲間は僕をよく助けてくれるよ。ロッカールームでも、ピッチの中でもね。
アディル・ラミのような選手が雰囲気を作ってくれる。彼は僕によく話すよ。理解できない時は、彼が説明してくれる。とてもいい関係があるよ」
(フランス語については?)
「少しずつ改善しているよ。今は多くの言葉がわかるようになった。ピッチの上では、監督や他の選手が言っていることは理解しているよ。フランス語でもね。
個人的にはまだ英語でコミュニケーションを取っているけど、フランス語の勉強は続けるよ」
いつか柏に戻りたい、酒井宏樹が語るフランスでの日々
Text by 石井彰(編集部)
カズに憧れて全身赤のスーツを買ったことで校内一の人気者になったが、中身が伴わず一発屋で終わったというエピソードを持つ島根県出身のエディター。その影響か赤いチームを好み、ヴァランシエンヌ、レイションエス、ノッティンガム・フォレストなどを応援している。
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