2部から選出された「なでしこジャパン」は?

――1年前はポルトガルで毎年開催されているアルガルベカップの代表メンバーにも選出されていました。やっぱり、なでしこジャパンは全然レベルが違うんでしょうか?

全然違いますね!

――例えばパスコースの数が全然違う、とかですか?

正直言って、「パスコースがいくつもあるわ」と思えるほどに自分には余裕がなかったですね。「周りに頑張って付いて行かないと」っていう想いで精一杯でした。

初めて代表に選ばれた時は、もう「死んでもいいから頑張ろう!」っていう一心で行ったんですけど、2回目以降はそんな頑張る気持ちだけではアカンなと気付いて『自分に出来ることは何か?』と何度も考えていました。

それでも練習の時にグラウンドに行くと足が震えたり、寝てる時には歯が抜ける夢を見たり、戦争の夢を見たり。特に海外遠征へ行くと夜に眠れなくてコンディションを上げられなくて…。

――代表合宿のホテルは2人部屋でしたよね?誰とルームメイトになったのですか?

最初はFW永里優季選手(現:シカゴ・レッドスターズ/アメリカ)でした。

――怖そうなイメージが…特に初代表の選手にしては気も遣うのでは?

そう思いますよね?でも優季さんは凄く良い人で『何も不安とか抱えないで、普段している自分のプレーをしたら良いんだよ』と言ってくれました。次に代表へ行った時はMF阪口夢穂選手(現:日テレ・ベレーザ)で、お互いに大阪出身なので地元話で盛り上がりました。

特に自分の場合は2部リーグに所属しているので、普段全く試合でも顔を合わさない1部リーグや海外クラブ所属の選手ばかりで緊張しました。

テレビの世界でしか分からない選手ばっかりなので、「端から一匹の虫が来た」とか思われてるんじゃないか?と感じていて、初めは溶け込むのに苦労した部分がありました。

――でもU23日本代表の時に一緒だった選手も多く入っていましたよね?

はい、その頃は常に4、5人が代表に呼ばれていました。そのメンバーで集まっていると気持ちとしては楽だと思うんです。

でも、そういう場へ行ったならば、もともと仲が良い選手だけでいても意味がありません。多くの選手と関わって色んな話をすることに意味があるので、「チョット怖いな」と思う方と話したい気持ちを心に持っていました。

そう思えるのは仕事での影響もあります。初めて入った時に「うわ~、このオバちゃん怖そう」って思う人がいました。仕事で分からないことがあった時、そのオバちゃんに聞きに行ったんです。そうしたら、実はとても良い人だったんです。

「自分の決めつけで怖いイメージを抱いていたけど、話してみると凄く良い人だった」という経験が多かったんです。

――それは社会勉強の賜物ですよ!

「苦手なことからやっていこう」と思うことがよくあります。

食べ物でもトマトが嫌いなんですけど、トマトの中のリコピンが体に良いと知ってからは、「リコピンって可愛い名前やな~リコピン食べよ!」って思って、食べるようになったりもしました(笑)