選手とメーカーでのコミュニケーション
――プレデターは今あるラインナップの中でも歴史のあるモデルの一つです。どんな選手に履いてほしいというイメージはありますか?
山口 清武選手もまさにそうですけど、ボールコントロールがこのシリーズのコンセプトになっています。なので、ボールを受けて出してといったボールを中心にテクニックを発揮することができる選手に履いてほしいですね。
――たとえば「エース」→「プレデター」といったモデルの切り替わりのタイミングでは、選手とメーカーでどういったコミュニケーションをとるのでしょうか?
発表前の段階から黒塗りのスパイクを履かせてもらったりします。ただ、僕の場合は先ほども言ったように、練習で長い時間履いて馴らしてから試合に使うので、発表された後いきなり切り替えるということは少ないかもしれないですね。
あと僕は、色で「こちらのほうが大きい」とか「アッパーが伸びる・伸びない」とか、けっこう個体差を感じちゃうんですよ。自分の感覚なんですけど。だから、しっくり来る色のスパイクをずっと履いちゃうこともある迷惑選手です(笑)。今の青の「プレデター」は結構慣れているので、次の色が合わないとまたもしかしたら…。緑の「エース」のときも本当に長く履いていました。
――そんなとき、メーカー側は「新しい色を履いてくれないかな」と思ったりは…。
山口 もちろん選手のパフォーマンスが最優先なので選手自身の感覚や意思を尊重しながら、極力最新のシューズを履いていただけるようコミュニケーションをとらせていただいてます。先ほどの滑る滑らないの話もそうなんですけど、理論上はポイントが長くて少ないほうが雨のピッチで滑りにくいとしても、清武選手のように毎日履いているスパイクのほうが慣れているから滑らないという選手は過去にもいました。逆に新しくてもSGやFGなどポイントが長くて少ないほうが安心できるという選手もいますし、やはり選手によって感じ方が様々なんだなと思います。
※ソーラーグリーンの『エース 17.1』はかなり長期間着用。以前にも同じ色のスパイクをこれまた長く履いていたことがあり、清武=緑のイメージがあるかもしれない。
――そういえば、ワールドカップに向けてadidasが『キャプテン翼』とのコラボを行っていますが、清武選手の好きなキャラクターは誰ですか?
僕は岬くんです。僕は翼くんタイプではないので、最終的に譲るよという(笑)。
――「キャプテン翼」といえば、翼くん×岬くんのようなコンビプレーも魅力の作品です。清武選手にも相性が良いと感じる選手はいますか?
セレッソは同じ感性を持っている選手が多いですね。蛍は確実にいつも自分のことを見てくれていますし、曜一朗もタイプは結構似ています。後は健勇も。昔は全然合わなかったんですけど(笑)、シンプルにやるところと持つところの判断が良くなって、代表に入ってから一気に合うようになりました。僕がボールを持ったときは常に裏を狙っていて、プレー中もよく言われます。
代表は本当にみんな上手いですし、個性がある選手がたくさんいますけど人に合わせられる選手もたくさんいますからね。生かし生かされるという感じです。だから僕の最初のときもすんなり入れました。代表に来る選手はみんな自分のプレーをしっかり持っていますから要求するところがそれぞれにあって、なおかつ人の意見もちゃんと聞いてくれる。だから僕もうまくできていると思っています。