先制して理想的に試合を運ぶアンジュだったが…

試合は開始早々、アンジュが中盤でのセカンドボールを拾って上手く繋ぎ、左サイドMFの友近真那がフリーで抜け出す。左45度から得意の左足を一閃した友近のシュートが逆サイドネットに華麗に決まり、アンジュが先制に成功する。

先制してからもアンジュには守りに入る気配はなく、前半はほとんどの時間を相手陣内でプレーするほど押し込んだ。それもボールを保持するというよりは、ボールを奪われても相手のボールホルダーに対してタイトに寄せて素早く奪う守備を軸に押し込んだ。

攻撃は主将の大型FW足立英梨子(上記写真の9番)が最前線でロングボールを収めたり、サイドのスペースに流れて起点となり、攻撃に“深さ”を作る。そして、速攻からは右サイドMF赤嶺美月が、遅攻では左サイドMF友近がFWから左サイドバックにコンバートされた松田遥奈との連携による左右非対称なサイド攻撃で“幅”も作れていた。

これらの武器で決定機も作ったし、CKからのこぼれ球で追加点のチャンスもあった。その大事な追加点こそ奪えなかったものの、試合運び自体は理想的だったはずだった。

しかし、34分。この試合で唯一相手に与えたCKだった。何度も身を投げ出してシュートブロックしながらも、最後はMF源間葉月に押し込まれて1-1の同点に。この失点直後から後手にまわったアンジュは劣勢に陥ってしまった。