必要なのは変化や修正ではなく、“調整”
また、サッカーには大まかに分けて、「自分たちがボールを持っている=攻撃」、「自分達がボールを持っていない=守備」、「守備から攻撃への切り替え」、「攻撃から守備への切り替え」という、4つのフェーズ(場面)があるが、この試合は後者2つの攻守の切り替えに相当する時間が長かった。
前半のアンジュの選手達は身体のキレが良く、相手よりもコンディションの良さを感じさせていた。しかし、後半は守勢に回ったとはいえ、その身体のキレを欠いたように見えたのは、ボールが落ち着かないために心身のスタミナを消耗したのではないか?
とはいえ、今さら何かを変える必要はないだろう。前述したように、守備はメリハリが効いているし、ハードワークの意識は攻撃陣にも浸透している。確かにボールを動かす部分にもっと緩急が必要かもしれないが、何かが不足しているわけでもない。FW足立のポストワークはおそらくリーグ最強で、どの相手にも通用するだろう。
あとは、武器でもあるサイド攻撃からのクロスに対して中に割く人数を増やしたり、クロスのこぼれ球に対するポジショニングやリスク管理、特にサイド攻撃時に逆サイドのサイドバックがどういうポジションをとるのか?というディティールの部分だろう。
何かを変えたり修正したりというよりも、少しのバランスの調整で今持っている武器の活かし方を整える。完成度の高いサッカーができるこのチームなら、それで十分なはずだ。