日本の女子サッカーが進む道は「ポゼッション+サイド攻撃」

現在はベレーザだけでなく、INAC神戸も「ポゼッション+サイド攻撃」にトライしている節がある。日本の女子サッカーが進む道は、ここにあるのかもしれない。

なでしこジャパンがリオ五輪の出場権を逃しただけで競技力の低下が叫ばれた日本の女子サッカーだが、今年に入ってそのなでしこジャパンはアジアカップとアジア大会の2冠を達成した。ヤングなでしこ(U-20)に至っては、「FIFA-U20女子W杯」で優勝し、世界制覇を遂げた。

ただ、この一連の低迷ぶりや復活ぶりに際して、その内容面のことにはあまり触れられていない。今年のアジア2冠は劣勢の時間を耐え抜いて得られたものだったし、そもそもあのドイツW杯も相手を寄せ付けないような強さを披露し続けていたわけではなく、決勝のアメリカ戦は10回やったら9回は負けていたはずの試合内容だった。

ドイツW杯優勝時、日本のようなポゼッションサッカーをするチームがなかったために時代を先取りしていたが、現在はそれが世界中に広まり、また対策も進んだ。バルセロナも自分たちのサッカーが世界中に真似され、研究されたことにより、現在は少し形をマイナーチェンジしながら「近未来のパスサッカー」を構築中だ。

そんな中、日本の女子サッカーの近未来に「ポゼッションとサイド攻撃の両立」が必要とされているのではないか?現在はなでしこリーグ2部で入替戦圏内の9位ではあるが、バニーズ京都SCというチームは就任5年目の千本哲也監督の下、3部相当のチャレンジリーグ時代からこのサッカーをブレずに継続している。しかもバニーズには時代のトレンドをいく“偽サイドバック”の要素まで落とし込まれているほどだ。

トップリーグよりも2部や3部に志の高いサッカーをするチームがある以上、日本の女子サッカーは進化し続けられる。

また、一時低迷したとしても、プレースタイルを一新することなく、タレントを入れ替えながら時代の新たなエッセンスを取り入れるだけで、「日本サッカーの日本化」は言葉にしなくも自然と根付くだろう。男子サッカーよりも女子サッカーの方がこの点に関しては進んでいるはずだ!