■MF/頼もしく成長したボランチコンビ

右サイドハーフの主軸となったのは、大宮からレンタルで加入した黒川淳史だ。シーズン途中には怪我に苦しむ時期もあったが、キレのあるドリブルと積極的な仕掛けで、特に序盤戦の快進撃で存在感を発揮した。

また、6月にベガルタ仙台から獲得した茂木駿佑は、リーグ戦24試合出場で4得点と結果を残した。両名とも来季も水戸でプレーするとなれば、非常に心強い。

対する左サイドは、徳島から加入した木村祐志が年間を通して活躍を見せた。巧みな技術とベテランらしい戦術眼、正確なプレースキックで攻撃を牽引。“背番号10”に相応しい出来だったと言えるだろう。

そしてボランチは、大宮からの期限付き移籍期間を延長した小島幹敏が中盤の柱へと成長。定評のあるパスセンスに加え、ゴール前への攻撃参加にも磨きがかかり、チーム4位タイとなる4得点を記録した。

小島のパートナーを担った前寛之は、13節の徳島戦から最終節まで連続して先発出場。こちらもパスセンスを武器に、ゲームをコントロールする役目を演じた。このダブルボランチは、試合を重ねるごとに頼もしさを増した印象だ。