読者の皆様は、「疑似カウンター」という言葉をご存知だろうか。

自陣の低い位置でパスを繋いで相手を誘い出し、そのことによって空いたスペースを突いて一気に攻める攻撃のことを昨今ではこのように呼ぶことがある。

これを高いレベルで実践しているのが大分トリニータだ。

彼らは片野坂知宏監督が就任した2016年以来、その独特のポゼッションサッカーによりJ3からわずかに3年でJ1へと駆け上がり、今季もここまで4位と昇格チームとは思えない戦いを繰り広げている。

先週末に行われたガンバ大阪とのアウェイ戦では、それがよく分かる場面があった。

サイドを広く使った見事なボール回しであるが、目に付くのは何と言ってもGK高木駿の高いポジション。これがポイントだ。

エリアから大きく飛び出し組み立てに参加する高木に対し、ガンバの選手たちは当然のごとくプレスで襲いかかる。しかしこれこそが大分の罠だった。

足元に絶対の自信を持つ高木は、巧みなボール技術でこれをかわすと前方へロングフィード。

ボールを奪おうと前がかりになったガンバの中盤はぽっかり空いており、パスを受けた大分の選手たちはこの広大なスペースを存分に使って一気にシュートにまで運んだのであった。

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全ての選手が意思を共有し、ガンバをいとも簡単に崩した大分の「疑似カウンター」。この場面では得点に繋がらなかったが、J1でも最上位といえるこの熟練度でさらなる旋風を巻き起こすことができるだろうか。