自身が想う“最高のパサー”

――スピードを武器に裏へ抜け出す動きが平井選手の真骨頂だと思うのですが、G大阪ユース時代やプロ入り2年目頃まではドリブラーの印象もあります。変化のキッカケは?

ユースの時も裏への動き出しは得意だったので、ドリブルと動き出しがあればトップチームでも通用すると考えていました。

それと何と言っても、ガンバの中盤に凄い選手が揃っていた。それが全てだと思います。

――平井選手にとって今までで“最高のパサー”だと思うのは誰になるのですか?

二川(孝広/現関西1部・FC TIAMO枚方)ですね。

――ユースの大先輩なのに呼び捨てですか?(笑)

二川ですね(笑)。

得点に直接繋がるようなスルーパスならフタさんで、自分のマークが空いた瞬間に上手く入って来る縦パスやクサビのパスはヤットさん(ガンバ大阪MF遠藤保仁)が圧倒的に上手いですね。

――素人目線だとスピードを武器とするFWはカウンタースタイルのチームの方がハマると思うのですが、そうでもないのでしょうか?

それなんです!

2トップのパートナーが貴史(FW宇佐美貴史/現ガンバ大阪)やルーカス(引退後の現在、ブラジルで建設会社を経営)のようなボールを収められる選手だと凄くやり易いです。

2トップなら周りを見ながら動けるのですが、今は1トップ(3-4-2-1)なので、そこがなかなか難しいですね。

――宇佐美選手からのアシストも多かったと思います。2010年のアウェイでの大宮アルディージャ戦。アウトサイドキックで長いスルーパスからのゴールが印象的でした。

貴史からのパスも多かったですね。でも、あの大宮戦で怪我をしてしまって…。

それから約1カ月で復帰して、痛みを我慢しながらも復帰初戦の湘南ベルマーレ戦で2ゴール獲れました。でも、何か違和感があって我慢しながらやっているとキレを失ってしまって。

次の年は怪我の影響はなかったと思うのですが、知らず知らずの間にトップフォームを崩してしまいました。

――その後、2012年シーズンにアルビレックス新潟にレンタル移籍することを決断されました。

実はあの時、他にも多くのチームからレンタルのオファーをいただいていたのですが、最初その全てを断って「残ります」とガンバには伝えたんです。

でも、そのあと最後にもう1度熱烈なオファーが新潟からあって、その熱意に心を動かされて決断しました。結果を残せなかったのは残念ですが、今でも後悔はなく、行って良かったと思っています。