冨安を筆頭に後の代表選手を輩出

高校1年、2年で2種登録されている選手もいるが、このシーズンは“あたり年”と言ってよいだろう。後の日本代表に入る冨安健洋(アビスパ福岡)やU-23代表で主力の齊藤未月(湘南ベルマーレ)、森島司(サンフレッチェ広島)が登録されているからだ。

冨安は2015シーズンに高校2年生ながら2種登録すると天皇杯3回戦町田ゼルビア戦でトップチーム・デビュー。2016シーズンには高校卒業を待たずにトップチーム昇格となった。

冨安と同じように高校2年時で2種登録されたのは波多野豪(FC東京)、長谷川巧(アルビレックス新潟)、米原秀亮(ロアッソ熊本)、齊藤未月がいるが、2019シーズンこのうち4名はJ1でプレー、長谷川も金沢(J2)で存在感を示した。

ユース年代での評価はきちんと意味があるといったところだろうか。

大学進学後Jリーグへ戻れる可能性は?

半面、大学へ進学するなどトップチームへ昇格できなかった選手は21名と約半数に上る。2種登録されても半分はJリーガーになれないのだ。

大学を経て、今シーズンよりJリーグに戻れたのは阿部航斗(アルビレックス新潟)、浮田健誠(柏レイソル)、山川哲史(ヴィッセル神戸)、忽那喬司(愛媛FC)、田中勘太(ベガルタ仙台)、岩本和希(ガンバ大阪)とわずか6名しかいない。それも浮田はレノファ山口、田中はカターレ富山、岩本はカマタマーレ讃岐と元のユース年代でプレーしたチームではないチームへの加入だ。

確率にすると25%ほどしかJリーガーになれず、さらに半分は元のチームでのプレーではない。

残りの大学経由のJリーガーは高校生年代で2種登録されておらずこの年代での育成は1年、いや1日1日が大事となるといったところだろうか。

また、Jリーガーではなくとも海外や地域リーグでプレーすることが決定しているのも大川圭為、小木曽春樹の2名しかいない。そう考えるとサッカー選手になれたのは1/3である。

また、イレギュラーなケースとして熊川翔(柏レイソル)があげられる。流通経済大学へ進学も途中でいわきFCへ移り、2020シーズンより横浜FCでプレー。いわきFC経由でJリーガーという夢をかなえた格好だ。

サッカー以外の選択肢は?

2006年に柏レイソルで2種登録された山本紘之さんはその後明治大学へ進学、その後日本テレビへ就職しアナウンサーとなった。現在、大学進学以降の就職先などはわからない選手も多いが、サッカーだけが人生じゃない。このように新しい道をみつける者も登場するだろう。

藤永大雅(ロアッソ熊本)はその1人だ。20歳でビーチサッカーへ転向し現在はビーチサッカーでの日本代表を目指している。