それでも本来のパフォーマンスを発揮できれば全国規模の強豪と渡り合える自信はある。2019年10月6日のJ3ギラヴァンツ北九州戦。シーズン優勝を飾った北九州は当時5連勝中と好調で、対するC大阪U-23は4連敗中と苦境に立たされていた。
Jリーグデビュー戦で折口は敵地で躍動した。前半31分にMF高橋大悟の枠内に飛んだFKを両手で弾き、同41分にはクロスに飛び込んだFW町野修斗のシュートを右足でスーパーセーブ。後半64分にもFW池元友樹のヘディングシュートを右手一本でセーブするなど神がかったプレーを連発。試合は2-0とクリーンシートでチーム待望の白星奪取に大きく貢献した。
「(これまでの)ベストパフォーマンスは北九州戦だったので、あのパフォーマンスを出せれば全国でもいい勝負ができると思う」。守護神の復調が目標の全国大会8強進出の鍵となる。折口は「大舞台のほうが力が出る」と力強かった。天皇杯でも言葉通りのセーブを見せたスーパールーキーに期待がかかる。
今季は折口の他にJユース出身者、高校選手権出場選手、強豪大の勧誘を断って富士大を選んだ実力者がそろっており、上級生も泥臭い仕事を積極的にこなす岩村主将を中心に確かな組織力でヒョウ狩りを体現する。
全国大会初戦で関西第4代表と対戦する岩手の実力派集団が大舞台で番狂わせを見せる。