東北の新勢力が全国大会で台風の目となる。大学サッカーの全国大会「ATARIMAENI CUP 2020」(2021年1月6日~23日、関東)の東北第2代表決定戦(11月28日、宮城・みやぎ生協めぐみ野サッカー場)が行われ、東北1部リーグ2位の富士大(岩手)が東北2部リーグ1位の東日本国際大(福島)を3-0で下して全国大会切符をつかんだ。

今季は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、総理大臣杯の中止など大学サッカー界に暗い影を落としたが、年明けの1月に新設された全国大会に向けて大学生選手たちは研さんを重ねている。

今回出場権をつかんだ富士大は岩手県代表として天皇杯に出場し、アマ屈指の強豪ソニー仙台を破るなど注目を集めた。みちのくで存在感を増す富士大に迫る。

東北の雄「富士大」

※左が東日本国際大戦で先制点を決めた中川和彦。右は岩村豊主将。

木枯らしが吹きつける寒空の下で、全国大会出場をかけた熱闘が繰り広げられた。すでに東北第1代表は東北1部リーグで全勝優勝を果たした仙台大が勝ち取っており、残された1枠をかけた戦い。試合は開始早々に富士大が主導権を握った。

コンパクトな陣形からサイドからの速攻で相手ゴールへ果敢に攻め込んだ。前半9分にフリーキックからの混戦でこぼれたボールに左WG中川和彦が反応し、右足でゴールへ流し込む。同29分にはボランチのMF岩村豊主将が、エースFW阿部亮太のスルーパスを受けて右足でネットを揺らした。

前半は2-0と幸先のいいスタートを切るも、後半は相手の粘り強い守備に攻めあぐねる場面も。だが後半34分にDF松倉玄樹が阿部亮のパスから抜け出し、相手GKをかわして決定的な3点目。危なげなく試合を制し、切符を勝ち取った。

先制弾を決めた中川和は「(東北学生リーグでは)結果を残せていなかったので、早い時間帯に得点を決めることができてホッとした。今のままでは目標のベスト8に届かないので、チーム全員で高めていきたい」と笑顔を見せた。