――昨季もっとも上手く行ったところ、逆にうまく行かなかったところは?

良くなったところは、一つの具体的なことではないんですが、チームが1試合1試合、日に日に改善していったということですかね。

そこはとても良くできていたと思います。それがどこから来るかと言えば、日頃のトレーニングの流れであったり、練習がうまく行っているということ。

それでチームが1試合1試合非常に良くなって、成長していった。それが良かったというのが昨シーズンであったと思います。

具体的なところでいえば、試合を見に来てくれたファンの方々から見れば、奈良クラブのアイデンティティであったりアイデア、ポジショニングなど、我々のやりたいプレーというのがおそらくはっきりと理解できる、はっきりと見ることができたのではないかと。それがとても良くできたところかと思います。

うまくいかなかったところについては、監督が完璧主義者なものですからたくさんあげることができてしまいますが(笑)。

やはり、細かい部分ですね。一つ一つのプレーにおける細かいところも、ディテールのところが足りていなかった。

具体的に言えば、攻撃においても守備においても「アグレッシブさ」でしょうか。やはりまだまだ全然足りていなかったと思っています。

ただ、アグレッシブさというのは暴力やバイオレンスとは違います。

守備の局面で言えば、相手の選手にクロスを入れさせないとか、シュートをさせないとか、相手に時間を与えないプレー。そういったイメージでアグレッシブさという言葉を使っています。

攻撃でのアグレッシブさというのは…ボールを持つことは最終的にゴールを奪うためですよね。

ですからゴールに向かっていくことに対するアグレッシブさです。ボールを保持したときに、みんなでポジティブに、できる限り前の方に持っていく。ゴールの方向に進んでいく。それがアグレッシブなプレーだと考えています。

――補強ではひとつ外国人枠を使ってスペイン人GKのアルナウ選手を獲得しましたね。彼に期待しているものとはなんですか?

おそらくこれから多くのクラブが外国人選手を入れてくると思いますし、奈良クラブもこれから数年どんどん成長していくと思います。

外国人選手を取ってくる、外国人選手がチームにいるということに、クラブとしても慣れなければなりません。

獲得の狙いとしては、「外国人のゴールキーパーと取ってくる」というよりは、全てのポジションにおいて競争力を持つということです。競い合わせることが狙いでした。

どのポジションにおいてもレギュラーを確約された選手はいませんし、互いに競争をして競い合わせることが狙いです。

例えばゴールキーパーは3人いますが、その3人の中で競い合わせることです。日本人であろうが外国人であろうがです。

全てのポジションにおいて競争力があるという点では今回FWに浅川隼人選手(ロアッソ熊本から)を獲得しましたし、それによって誰が出場するかという点で競い合わなければなりません。

ウイングの選手については嫁阪翔太選手(いわてグルージャ盛岡から)を獲得しましたし、チーム内での競争力はとても上がってきました。

キーパーについて思っていること、特にアルナウ選手に対して思っていることは、「我慢強く」という点です。

昨シーズンから所属しているGKの金子選手、赤塚選手もいますけれども、彼らも奈良クラブのレギュラーとして出られることを証明してくれています。

アルナウ選手はまだこれから来日して(※9日に来日、10日に練習に合流しました)、彼自身もレギュラーとして出られることを証明しなければいけないので、まずは我慢強く焦らずにいて欲しいなと思っています。