神奈川大イレブンの武器は折れない心

後半途中から筑波大はU-23日本代表にも選出されたFW内野航太郎(2年、横浜F・マリノスユース)を投入して反撃に打って出るも、神奈川大は粘り強く守り無失点で切り抜けた。延長の末、PK戦で敗れても誰一人として崩れ落ちる選手はいなかった。

PK決着後も崩れ落ちなかった神奈川大イレブン

試合後はロッカールームから笑い声が響き渡った神奈川大イレブン。どちらが勝ったか分からないほど明るく振舞う選手たちの心の強さは目を引くものがあった。

キャプテンは「明るいだけが取り柄みたいなものがあって、気が抜けちゃうときもあるんですけど(笑)。負けても5分後には切り替えられるスイッチのオンオフがはっきりできていますね」と笑った。

明るく和気あいあいとしているチームだが、規律はしっかり取れている。筑波大の猛攻を耐え切る粘り強い守備と身体を張ったデュエルで何度も窮地(きゅうち)を脱した。田畑主将も攻め込まれている局面では絶え間なくコーチングをかけてディフェンスラインを鼓舞して結束の強さを示した。

「常に意識していることはみんなの良さを引き出すようにしています。アップ中に暗くなっていたらイジったりして、明るい雰囲気を作るように心がけています」と、劣勢の中でもイレブンの強心臓を支えている。

PK戦でシュートを突き刺してイレブンを鼓舞する田畑主将(中央)

4日に開催された大会初戦の大阪学院大戦では1点ビハインドの危機的状況から後半アディショナルタイムに得点を奪って延長戦の末に劇的な逆転勝利をつかんだ。最後まで諦めない強じんな精神を持ったイレブンは記憶に刻まれる印象的な戦いを見せた。