――本大会では3試合にスタメン出場。オウンゴールを記録したコロンビア戦がどうしても出てくると思うんですけど、あの試合を思い出したりすることはあります?

一回しか見ていないですかね、映像。やっぱりなかなか見られなかったというか、思い出したくなかったというのもあったので。

――見返したのはどのくらい経ってからですか。

正直、最近くらいです。それくらい見られませんでした。

――オウンゴールの場面はやはり迷いが生じたのですか?

迷いました。

最初クリアをしようかなと思ったら、フリーだなと思って。止めようかなと思った瞬間にはもうボールに足が…。もう迷ってしまって、本当に時が止まった感じでした。自分の覚えている感覚ではもう、足に当たったボールがゆっくりゴール方向に向かっているのが見えて。

それを自分で…手でかき出そうとしていた感覚はあったんです。本当にそれくらい何かスローモーションで見えて。もうその後は全然覚えていないくらいですかね。

――あのリオでの経験は藤春選手の中でその後にどうつながったと感じますか?

メンタルの部分ではすごく鍛えられたと思います。やはり、ああいう舞台での失敗というのは。そういう選手も今まで多分いたと思いますし、だからこそそこで終わってしまうのかどうか。やっぱりそこからまた這い上がるという部分もあるので。

自分自身は何とか気持ちを落とさず、這い上がってここまでやってこれたのかなと思いますし、本当にいろいろな人の支えがありました。

当時、ガンバの監督は長谷川健太さんだったんですけど、いろいろ声をかけられて。周りの選手とかにも。そういった声があったから、また這い上がってくることができたのかなと思います。

――ちなみに、藤春選手が今Jリーグで注目しているというか日本代表に入ってほしいと思うサイドバックは?

やっぱりガンバの黒川(圭介)選手。自分で持ち運んだりもできますし、オーバーラップしてクロスを上げることもできるので。自分自身そういうのが見たいですし、推してもいるんですけどなかなか入ってくれないので。

海外の選手が今メインになっていると思うので、なんとかJリーグの選手も…毎熊(晟矢)選手も、Jリーグのセレッソ大阪で注目されて代表にも入り、そこから海外に行きました。

若い選手にはやっぱりチャンスでもあるので、Jリーグで活躍して代表に入り、海外へ行く。そういうチャンスは増えると思います。なので、ガンバの黒川選手に期待しています。

※ガンバ大阪で左サイドバックのレギュラーを務める黒川圭介。藤春が昨季まで12年間つけていた「ガンバの背番号4」を受け継いだ27歳だ。

――それでは最後に、ガンバも含めてファン・サポーターの皆さんへメッセージをお願いします!

ガンバのサポーターには13年間すごくお世話になりました。別れてから半年くらいでもうすぐに試合で対戦して、たくさんのサポーターに沖縄へ来てもらって。

琉球にいても、ガンバのサポーターも結構アウェイとかで試合を観にきてくれるんです。試合が終わってから「ガンバサポーターをやっていました」とか「応援しています」みたいな感じでわざわざJ3の試合に運んでくれる方も多いです。

すごく自分のモチベーションにもなっていますし、嬉しいです。これからも自分はガンバ大阪を応援していますし、ひとりのサポーターとして、これからもガンバ大阪を見続けたいと思うので、自分自身これからも、琉球にいてもガンバのサポーターにも応援してもらいたいです。

琉球のサポーターにはまず、J2昇格できるようにしっかり、自分が来た意味をサポーターに分かってもらえれば嬉しいなと思います。アウェイにも多くの方が沖縄から来てくれているので、しっかり試合に勝って、気持ちよく帰ってもらえるようにしたいです。やっぱり勝って一緒に喜べるのがサポーターにとっては一番の楽しみだと思うので。

試合に勝って一緒に喜んで、気持ちよく帰ってもらえれば嬉しいです、沖縄でやれる時もたくさん琉球のサポーターに足を運んでもらって、一緒に楽しいサッカーを見せられればいいかなと思うので、これからも応援よろしくお願いします。

藤春廣輝

1988年11月28日生まれ(35歳)
FC琉球所属

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