J1リーグも残すところ5試合となりました。

残留争い、優勝争い、そしてACL圏内争いと激化していくそれぞれの闘い。

今回は京都サンガF.C.の現状と立ち位置、そして残り6試合について考えてみようと思います!

京都サンガF.C.

17位:10勝 8分 14敗(32試合)、勝点38

得点39、失点53、得失点差-14

現在のベストスタメン


夏の移籍期間の動きと補強について

【IN】

• ムリロ・コスタ(8/8)[ジル・ヴィセンテ(ポルトガル)/新加入]

• ルーカス・オリヴェイラ(7/21)[クルゼイロ(ブラジル)/期限付き]

• 圍謙太朗(7/16)[秋田/新加入]

• 米本拓司(6/27)[名古屋/期限付き]

• ラファエル・エリアス(6/24)[クルゼイロ(ブラジル)/期限付き]

【OUT】

• 飯田陸斗(8/2)[奈良/期限付き]

• ヴァルネル・ハーン(7/24)[ハンマルビーIF(スウェーデン)]

• 一美和成(7/19)[岡山]

• 山﨑凌吾(7/12)[C大阪]

• 谷内田哲平(6/27)[FC安養(韓国)/期限付き]

京都サンガF.C.は夏の補強を大きく当てたチームの1つです。彼らもまた前半戦で苦しみ抜いたチームでしたが、徐々に京都サンガの良さを取り戻しつつ、夏の新戦力たちによって爆発的な強さとエネルギーを取り戻してみせました。

特にラファエル・エリアスの加入はチームに安定感と決定力をもたらしました。チームの攻撃のスタートを担うことが多く、上のパスを引き取りながらゲーゲンプレス発動のきっかけを作り出したり、下のパスから前進するための出口も作り出しながら、フィニッシュまで行っています。早くもチームになくてはならない選手に上り詰めました。

またハイプレスを敢行することが多い京都において、米本拓司のポジションでのスペースの消し方と潰し切れる強さはチームに守備の安定感をもたらしました。特に加入直後の試合は周りを動かしながらプレスの指示を行っていることもチームに大きな影響を与えていました。

そしてネガティブ・トランジションの局面です、シンプルな反応速度と予想によってゲーゲンプレスを完結させてショートカウンター発動のきっかけを作り出すこともできていました。

さらにルーカス・オリヴェイラです。宮本優太と鈴木義宜の控えに回っていますが、規格外な選手ということを短い出場時間で見るものに印象付けています。広大なカバーエリアも、純粋な対人もとんでもないレベルにあると思います。彼もまた残留に向けて大きな戦力になっていることは間違いありません。

シーズン当初は降格圏内に沈んでいましたが、新戦力と共に降格圏を見事に脱出。現戦力の連携も問題なく、どれだけの結果を残せるかはとても興味深いチームです。


残りの対戦相手とその予想

34節 サガン鳥栖戦(H)

残留を争うチームな上、ここの勝利は必須です。中断前の2試合で352の振る舞いを少し変えてきたサガン鳥栖。守備から試合を始めることを選択し始めて、徐々に試合のペースを安定させることに成功しています。WBのところで福田晃斗や中原輝を起用しているのは、ここで配置的な優位性を取りながら時間を管理したいからだと思います。

また、ローテーションしながら前進をしていく方法も見られるようになりました。プレスを呼び込み、ズレを作りながらマルセロ・ヒアンを中心とした擬似カウンターを押し出して攻撃を完結させようとしてくると思います。

これに対してサンガは特に振る舞いは変えず、ハイプレスを仕掛け、ショートカウンターを押し出していくと思います。3CBに対して3トップを当てはめにいくと思いますが、問題はDMFの管理です。

ここにIHを押し出すことが多くなると思いますが、そうなるとIH⇒DMFの玉突きの管理が必要になってきます。これを作り出されないように、しっかり1stプレスラインで制限をかけながら、WBにはSB、出口となるIHにはDMFが出て行けるような時間を創出していきたいところです。

33節のヴィッセル神戸戦でもハイプレスからショートカウンターで仕留め切っています。前進のところに制限をかけ、迎撃とショートカウンターを押し出したいところです。

さらに、サガン鳥栖は3CBが晒されることに弱点があります。サンガの3トップは強烈で、強さ、高さ、速さ、そしてテクニック、全てにおいて高次元にあります。どの試合もそうですが、サガン鳥栖戦でもここを押し出すことができれば、自然と勝利は掴めるのではないでしょうか。

35節 サンフレッチェ広島戦(A)

残留へ向けての大きくそして高い障壁です。リーグ前半戦では5失点とショッキングな敗戦を喫してしまいました(この大敗をきっかけに徐々に復活を遂げるのですが)。

しかしサンガにもチャンスはあります。それがロングカウンターです。ボールも持てるようになっているのが現在のサンフレッチェ。プレスを回避されることが多くなることは予想できます。

そこでIHを前に出す442のミドル~ローブロック形成です。451から442へのプレスのスイッチも明確な形です。ブロックを作り出しながら、3CBの一角の攻撃参加を促しながら弾き返してカウンターに出て行きたいところです。

特にエリアスvs荒木隼人のところはこの試合の大きな分岐点となりそうです。なんとかここで起点を作りつつ、カウンターに出て行くことができれば、勝機を伺えるかもしれません。