データが勝たせてくれるものではない

ーーここ15年間オーストラリアは日本戦で勝利はできていません。特に埼玉では勝てていません。日本代表にとって、どのようなメンタル的なアドバンテージがありますか。

過去のデータはもちろんあると思いますが、あすの試合はデータが勝たせてくれるものではないと思います。我々はホームで勝利するために最高の準備をして、持っている力を最大限に発揮することが大切だと思います。

データ的には有利なところがあると思いますが、いまのオーストラリアの状況を考えれば、非常に危機感を持って我々に挑んでくると思います。そこを最大限に警戒して臨まなければいけません。そのうえで選手たちには、自分たちがレベルアップするためのトライをしてもらえるように、あすの試合は我々がオーストラリアに挑みたいと思います。

――日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞されたことについて、すばらしいコメントを出されていました。森保監督は「スポーツをできる意義というものを体現したい」と仰っていましたが、平和というものがクローズアップされている中で、この言葉の解説をお願いいたします。

シンプルに言いますと、スポーツができる意味。みなさんとコミュニケーションを取らせてもらえる記者会見のような場は、平和な世界があるから存在していると思います。戦争や紛争をやっている地域で、このような穏やかな時間はとれないと思います。我々が好きなことをやる、スポーツができていることは平和があるからです。我々はそれを胸に刻み、そして見ている方々にも機会があれば、平和について考えていただくことにつながればうれしいと思います。

日常から相手のことを尊重して、いい関係をつくっていくことや、お互いを尊重することが大切だと思います。スポーツの中、サッカーの中では勝ち負けや競い合うことになりますが、ルールの中でリスペクトし合いながら競い合っている。それをいろいろな方に観てもらって、スポーツから平和を発信することにつながればいいと思います。

――3連勝です。こうした快調なスタートが切れた要因について教えてください。

いまのバランスがいいところは、危機感と誇りの中でより高みを目指しているところです。1試合、1試合の勝利を目指して戦っていく、レベルアップをするという部分のバランスが非常にいいと思います。

選手たちは世界の競争力の中で戦っている。もちろん国内の選手たちも世界の競争の中で戦っています。高いレベルで戦っている誇りを持ちながらも、さらに上を目指していく。そして相手を見下すことなく、1試合、1試合で緊張感を持って試合に臨み、かつ前進していくバランスがいいんだと思います。

日本代表FW伊東純也、オーストラリア戦に向けての一問一答「やられるイメージはないです」

日本代表の指揮官はかつての戦友が率いるオーストラリア代表に全力でぶつかっていくと意気込んだ。データではサムライブルーに有利な数字が出ているが、油断はできない。森保監督は自らの手腕でチームを勝利に導けるか。

【Qolyインタビュー】急成長中の関東サッカーリーグ1部南葛SC!岩本義弘GMが語るクラブとの出会い