迎撃とショートカウンター

攻撃の局面は大まかに上記の3つが基本形になっていると思います。そして守備の局面です。ここでもやはり猛威を振るっているのは間違いありません。特に3CBの迎撃は対戦相手を苦しめています。

特にオーストラリア戦の板倉滉、サウジアラビア戦の町田浩樹。彼らの迎撃の上手さと強さは日本の圧倒的な武器になっていると表現しても過言ではないと思います。

ではどのように迎撃を作り出しているのか。それは523でのプレッシングです(WBの選手は相手のSBやWBの高さに依存するので、形は343に見えるかもしれません)。常に攻撃を仕掛け続けたい日本代表は守備の局面、ハイプレスからも攻撃を考えています。

まず3トップで中央を消しながら、制限と方向付けを行っていきます。基本的には外の選手、4バックならSB、3バックなら外側のCBに誘導していきます。ここに誘導した瞬間に全体のスイッチが入ります。

ここから迎撃を作り出すわけですが、手前はCHの遠藤航や守田英正が潰していきます。多くはここは本命ではなく、最終ラインから最前線への球足の長いパスを出させることで迎撃を作り出します。ここが奪い所の本命になっていると思います。

今や日本のCB陣はフィジカルで負けることはないほどに屈強になっていますし、3トップの制限と方向付け、そしてCHによる手前の潰しによって、繰り出されることの多い球足の長いパス。これが3CBが有利に守備に入るための準備の時間となっています。

板倉滉も町田浩樹も、ボールを奪い取った後のプレー選択も高いレベルにあり、ショートカウンターのキッカケとなっています。迎撃を作り出した時には手前を潰すCH、制限をかける3トップと、カウンターを完結させるための人数が揃っています。

当然ですが、奪った瞬間にできるスペースや優位性に飛び付かずに自分たちを整えることも出来るのが今の日本代表の強さだと思います。

これら4つのことを森保監督とスタッフ陣は考えた上での3421なのではないでしょうか。

攻守で圧倒しているのですが、オーストラリア戦で見えた課題もあります。ではその課題とはどのようなものなのか。少し考えてみようと思います。

日本代表の課題?

結論から述べると、その課題は「チャンネルランの薄さによる攻撃の厚み」にあると思います。

オーストラリアは3421とミラーゲームで対面を当てはめてきました。これに対して日本代表は守田英正が最終ラインに落ち、田中碧が中盤に残る形を作り出しました。1stプレスラインを越える、もしくは外側で起点を作り出せる型になっていました。

しかし広がるCBで持ち出しが少なかったので、WBの三笘薫か幅を作り出すST久保建英の突破に頼る攻撃が中心になってしまいました。

もしかするとCBの持ち出しによって時間を作り出す事ができれば、守田英正のライン間への潜り直しとそれに付随する田中碧の押し出しがあったかもしれません。

対面を剥がす、ズラすために行ったプレーはかなりの影響力を与え、オーストラリアを押し下げるまでに至ったのは事実です。そこから先のプレーの選択肢や幅を広げるための準備ができるともう1つ上のレベルに到達する事ができるのではないでしょうか。

そして今の日本代表にはそれを改善できる監督とコーチ陣、そして選手たちがいます。期待せずにはいられません。

僕らの日本代表がもっともっと強くなり、僕たちを熱狂の渦に巻き込んでくれることを願って。

頑張れ、日本!

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