小野伸二

日本代表:56試合6得点(1998-2008)

対立したオランダ人:ベルト・ファンマルワイク監督

確執ほどではなかったが、日本の天才・小野伸二もオランダ人の指揮官から厳しい言葉を浴びせられている。

高卒1年目の1998年に18歳でワールドカップのメンバーに選出された小野。卓越したテクニックと創造性に富んだ“ベルベットパス”で浦和レッズを牽引し、2001年夏にはオランダの強豪フェイエノールトへ移籍した。

中村俊輔とともに日本で天才の名を欲しいままにしていた小野だったが、当時の指揮官だったベルト・ファンマルワイク監督からはきつい一言。

「サーカスのようなプレーは必要ない。フットボールをしろ」

後にオランダ代表を率いて2010年ワールドカップ準優勝に導いた名将は、技術をひけらかすのではなく、堅実にフットボールすることを求めた。

ただ指揮官の姿勢は小野を変えるキッカケとなった。それまで古典的なトップ下だった極東の天才は、ファンマルワイクのもとでセントラルMFとして新境地を開くことに。

ファンマルワイクは2020年、当時の小野を振り返り「信じられないほど素晴らしかった」と褒めたたえている。