世界一遠い試合が行われたリーグはやはり…

ロシア

FCサハリン・ユジノサハリンスクvsバルチカ・カリーニングラード(7482km)

世界一の国土面積を有するロシアは、やはり国内リーグのアウェイゲームも非常に遠い。

2014年、ロシア・ファースト・ディヴィジョン(ロシア2部)で、リトアニア、ポーランドに挟まれたロシアの飛び地カリーニングラードに本拠地を置くバルチカ・カリーニングラードと北海道の北方に浮かぶサハリン島のクラブ、FCサハリン・ユジノサハリンスク(現在ロシア4部)が対戦した。

同年7月の対戦ではFCサハリンがバルチカ・スタジアムまで7482kmの大遠征をして試合を行った。

試合は後半16分にフリーキックから挙げた先制点を守りきったホームのバルチカが勝利した。

7000km以上の長旅をしてやって来たFCサハリンのイレブンとサポーターにとっては何とも悔しい結果となった。

11月のFCサハリンのホームゲームはモスクワ近郊の街ヒムキで開催したため、バルチカがユジノサハリンスクまで遠征しなかった。

このように、世界一広い国ロシアでは過去に超遠距離の試合が複数回行われている。

2016年にはバルチカがルチ・ウラジオストク(現在はアマチュアリーグ)と対戦するために7357kmの遠征を行い、2023年にはバルチカがSKAハバロフスク(ロシア2部)とのアウェイゲームを戦うために7020kmを移動した。

過去にルチのホームゲームがあまりに遠いことから、当時CSKAモスクワ(ロシア1部)に所属していた元同国代表GKイゴール・アキンフェエフから「ルチはJリーグでプレーするべきだ」と苦言を呈した。

【番外編】世界一遠いアウェイゲームはフランス国内カップ

フランス

トレリサックFCvsASマゼンタ(17142km)

世界一遠いアウェイゲームはオーストラリアでもロシアでもなく、ヨーロッパのフランスだという事実を聞いて驚く人は多いだろう。

フランスの国内カップ戦にあたる『クープ・ドゥ・フランス』は国内のクラブだけでなく、同国の海外県・海外領土であるグアドループ、フランス領ギアナ、マルティニーク、マヨット、ニューカレドニア、フランス領ポリネシア、レユニオンのクラブも参加している。

海外県・海外領土のクラブは、フランスから離れた大西洋上や太平洋上に点在している。

2014年にパリ郊外の街のクラブであるトレリサックFC(フランス5部)が第7ラウンドに進出し、ASマゼンタ(ニューカレドニア1部)と対戦するためにオーストラリアから1200km離れた太平洋上にあるニューカレドニアに向かった。

その距離はなんと17142km。

日本から地球の反対側にある南米チリまでとほぼ同じ距離である。

アマチュアの選手がプレーするトレリサックは、この遠征のために1週間ほど仕事を休まなければならなかったため、フランスサッカー協会が選手たちの給料を一部負担した。

幸運なことに、この試合はアウェイチームのトレリサックが3-0で勝利を挙げたため、17000kmの長旅をした価値があった試合結果を得た。

この試合の他にも、クープ・ドゥ・フランスは想像を絶する距離の遠征が行われてきた。

(H)USマトゥリー(フランス領ギアナ1部)vs(A)CMSオワセル(フランス5部)7022km
(H)USマコウリア(フランス領ギアナ1部)vs(A)FCマルティーグ(フランス2部)7039km
(H)シャモア・ニオール(フランス2部)vs(A)JSサン=ピエロワーズ(レユニオン1部)9383km
(H)LOSCリール(フランス1部)vs(A)ASエクセシオール(レユニオン1部)9479km
(H)オリンピック・ノアジー=ル=セック(フランス6部)vs(A)ASテファナ(タヒチ1部)16000km
(H)ヤンゲン・スポール(ニューカレドニア1部)vsUSティオンビル(フランス5部)16305km

2007年は名門LOSCリールがレユニオンまで約9000km以上の遠征を行った。

このときのリールにはFWエデン・アザール(元ベルギー代表)やMFヨアン・キャバイエ(元フランス代表)、DFシュテファン・リヒトシュタイナー(元スイス代表)、DFアディル・ラミ(元フランス代表)など、後に名選手となるプレイヤーが数多く在籍していた。

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本記事では、世界の移動距離が長い試合について紹介してきた。あなたは愛するクラブのためなら、どこまで遠い場所へ遠征できるだろうか。

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