オーストラリアの弱点とは?

オーストラリアはUAE、そしてオーストラリア戦が日本で放送されていたので、その試合は多くの人がご覧になったことだろう。

当然様々な観点から彼らの分析は行われていると思われる。そして予選開始から2勝1分けと結果が出ており、5得点2失点と盤石にも見える。

しかしサウジアラビア戦でも見せたように、決して安定感がとてもあるというわけでもない。やはりこのシステムチェンジからそれほど時間は経っていないので、まだ構築中とも言える。

一つの突きどころと考えられるのが、ワンボランチに入るであろうマイル・ジェディナクの横のスペースである。

そこのカバーに関しては決して徹底されているとはいえない。ムーイは攻撃の役割が多く、そしてロギッチはあまり守備面でのカバーは得意ではない。

そして、逆にこれを避けようとミリガンを中盤に使えば攻撃面でムーイの負担が大きすぎるし、ルオンゴはこのシステムにまだ馴染んでいない。

かといって、先発で使ってこなかったイコノミディスやアーヴァイン、ジェゴをスタメンで送り出すわけにも行かないだろう。

中盤が全体的に攻撃的にすぎるところは、今のオーストラリアにおけるバランスが難しいポイントの一つである。

もう一つは、左右をやや非対称にしてバランスを取っているにしても、サイドにほころびが出やすい点だ。

その理由は3トップがかなり高い位置を取ること。サイドバックが1人で前も裏も守れるような選手ならともかく、そうでもない。特にブラッド・スミスのサイドだ。

前線があまり戻りきれない状態の中でタッチライン際にボールを運ばれた場合に後手に回ることは散見され、イラク相手でもそこからピンチを迎えることもあった。

これらは、オーストラリアがこのシステムで戦っている以上どうしても出てくるポイントでもある。つまりその試合限りでカバーするのも決して簡単ではない。

今のオーストラリアは好調ではあるが、かつての「堅い守備を見せながら、1人で持っていけるようなFWを持っている」ようなチームよりは穴がある。

アウェイであっても決して勝てない相手ではないし、彼らは中東から帰ったばかりだ。時差ボケのない我々のほうがむしろ有利である。勝ち点3を求められる状況にあると考えたいところだ。

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