充実の2列目の最適解は?

抜群のシュートセンスを誇る上田綺世を生かすには、ともにプレーするアタッカーとの“好連係”がカギを握る。では、現在の日本代表が基本形とする「4-2-3-1」で上田が輝くには、どのような2列目の組み合わせが最適なのだろうか。

本題に入る前に、上田が日本代表として出場した過去5試合(※昨年9月のエクアドル戦から今年3月のコロンビア戦の間)で、ともに起用されたアタッカーたちを振り返りたい。上田と共演した時間をまとめると以下の通りとなる。

・堂安律(主に右サイドハーフ:計178分)
・相馬勇紀(主に左サイドハーフ:計124分)
・鎌田大地(トップ下/ボランチ:計116分)
・伊東純也(主に右サイドハーフ/2トップ:計94分)
・南野拓実(トップ下:計62分)※6月シリーズは選外
・三笘薫(主に左サイドハーフ:計59分)
・久保建英(トップ下:計37分)
・西村拓真(トップ下:計34分)※6月シリーズは選外
・浅野拓磨(2トップ:計18分)
・中村敬斗(左サイドハーフ:計5分)

上田との共演時間が100分を超えたのは堂安、相馬、鎌田の3名。相馬は3月のキリンチャレンジカップでは選外だったが、カタールワールドカップ直前のテストマッチ(カナダ戦)および本大会のコスタリカ戦で長時間出場したことが反映されている。

一方で、現在の日本代表における看板選手の三笘および久保とはさほどプレーできていない。カタールW杯以前の三笘は確固たる主力ではなく、本大会でもジョーカーとして起用された。W杯後のプレミアリーグでハイパフォーマンスを連発し、代表での地位を大きく向上させている。つまり、W杯以前と以後で状況が変わったということだ。

所属するレアル・ソシエダで攻撃の中心を担う久保は、不運に泣かされた。3月のキリンチャレンジカップでは、体調面の理由から24日のウルグアイ戦はベンチ外に。続く28日のコロンビア戦では59分にピッチへ登場すると、アディショナルタイム含む約40分の出場時間で積極的な仕掛けとキレのある動きを随所で披露。とはいえ、本人も意気込んでいた3月の代表戦では、思うようにプレータイムを伸ばせなかった。