森保監督のコメントを踏まえれば、ドイツ戦では浅野または前田を起用してのハイプレス戦術ではなく、上田をスタメン起用してパスワークでの崩しにトライするのではないか。浅野と前田の有効性はカタールW杯で証明されており、新たなチャレンジが求められる。

“ベースづくり”と“積み上げ”を今回の欧州遠征でテーマにするなら、最前線は上田のスタメン起用以外考えられない。守備のタスクもまっとうできる万能型の上田は、戦術に幅をもたらすことができる存在であり、指揮官が理想とするFW像にもっとも近いと見る。

上田をスタメンで起用するべき理由②
“絶対的エース”三笘を生かすために

上田綺世にとって追い風となるのが、現代表の絶対的エースである三笘薫と相性が良い点だ。

いまや日本が世界に誇るエースへと成長した三笘は、今シーズンもブライトンでハイパフォーマンスを披露。4節を終えて1ゴール・3アシストを記録しており、とりわけウォルヴァーハンプトン戦で決めた4人抜きゴールのインパクトは絶大だった。

カタールW杯ではジョーカーとして起用された三笘だが、W杯後は完全なる主力に定着。選手の入れ替えを躊躇しないタイプである森保一監督が、三笘を絶対的な軸として考えているのは、以下のデータからも読み取れる。(データはアディショナルタイムを除く)

・3/24 vs ウルグアイ ⇒ 89分間プレー(スタメン)
・3/28 vs コロンビア ⇒ 54分間プレー(スタメン)
・6/15 vs エルサルバドル ⇒ 45分間プレー(スタメン)
・6/20 vs ペルー ⇒ 90分間プレー(スタメン)

森保監督はエルサルバドル戦で左ウィングに三笘を置き、左インサイドハーフに旗手怜央、左サイドバックに森下龍矢、1トップに上田を起用。

この4名は金メダルを獲得したユニバーシアード2019でともにプレーしており、大学時代に構築したコンビネーションをA代表でも活用したい意図が見えた。