2011年1月21日(金) - アル=ガラファ・スタジアム
3
1-1
2-1
2
香川
香川
伊野波
27'
70'
89'
得点者
12'
62'

セバスティアン
ファビオ・セーザル



決勝トーナメントに望んだ日本代表の最初の相手となったのは、今大会のホストを務めているカタール。相手の地元での戦いということもあって、先制点を許し退場者を出す苦しい内容となったが、試合終了間際の劇的な逆転ゴールで辛くも勝利を収めることに成功した。

カタールはこれまでの試合とは違い、比較的守備の開始位置を下げ、ロングボールやミドルレンジでのカウンターを狙う受動的なサッカーを組み立ててきた。下がってくる前田には激しいタックルが浴びせられ、警戒された2列目はサイドのスペースを完全に消されていた。そして引き出された後にカウンターで突かれ、12分に左サイドをセバスティアンに飛び出される。吉田がマークに行ったものの切り返しでコースを作られ、川島の脇を抜かれるシュートで失点してしまった。

最悪の立ち上がりとなったものの、この後さらに引いた相手に対してボールを一方的にキープできるようになり、岡崎などの裏への飛び出しが効果的に働き始めた。そして27分に、本田が出した浮き球でその岡崎が裏に抜け、ループシュートを放った。それを香川がヘディングでゴールに押しこみ、同点に追いつくことに成功した。しかもカタールはこの失点で守備が混乱し始め、マークがズレ始めた。日本にとっては大きなチャンスだった。

ところが後半になると展開は一変。カタールが守備を再び整えてきたため、日本の攻撃は完全にペースダウン。しかも60分には、パスミスを起点としてカウンターを受け、裏に飛び出してきたユスフ・アハメドを吉田がタックルで倒して2枚目の警告を提示されてしまう。さらにこのセットプレーからファビオ・セーザルに直接ゴールを決められてしまい、数的不利となった上にビハインドまで背負うという絶望的な状態に陥った。

しかし今回の日本は逞しい。サッカーの内容としては徐々に運動量が落ち、苦しい展開となっていったが、最後まで得点を取りにいったことが功を奏した。70分に遠藤からのパスを受けた本田が前に送り、岡崎がDFに囲まれながらも粘って残し、繋いだパスを香川がゴールに決めて同点に。そして試合終了間際となった89分、高い位置で奪ったボールを攻撃につなげ、遠藤が囲まれて奪われたところを長谷部がサポートして縦パスを送る。香川が受けてドリブルで粘り、キーパーと交錯して流れたボールを伊野波がゴールに押しこみ、土壇場で逆転に成功。まさに奇跡と言える逆転劇で試合をものにした。


(筆:Qoly編集部 K)




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