2011年2月28日(月) - スタッド・ジュレス・デシャソー(ル・アーヴル)
Le Havre
4
0-1
4-2
3
Tours
リヴィエール
ジョヴィアル
ネストル
ジョヴィアル
17'
58'
69'
84'
得点者
15'
47'
83'

ブラヤック
サイディ
ジュネヴォワ



激しい得点の取り合いとなった試合を制したのはホームで戦ったル・アーヴル。この勝利で勝ち点を39に乗せ4位に浮上、昇格圏内に近づくことに成功した。

ル・アーヴルの得意とするのは、素早くパスを繋いでサイドから仕掛ける攻め。今日はリヴィエール、ジョヴィアルが潰される場面が多く連携に絡む機会が少なかったが、その分今季格段の成長をみせているライアン・メンデス・ダ・グラサが鮮烈な活躍を見せつけた。抜群のスピードに繊細なテクニック、さらにパスセンスも有し、それに増してドリブル突破の駆け引きを覚えたことでリーグ一のウイングに成長したといっていい。一度ボールを持てば、DF1、2人が揃ったところで簡単に止められることは皆無に近い。

15分に中央をパス回しから崩され失点し、一旦はセットプレーからのリヴィエールの反転シュートで追いつくも、後半開始直後にルジュヌのコーナーキックでギエ・ギエのフリックオンを許し、サイディにフリーでシュートを放たれてしまった。

左サイドを起点に反撃したル・アーヴルは58分、自陣でボールを貰ったメンデス・ダ・グラサが鮮やかな持ち出しでマークをかわし、ゴール前まで持ち上がりDFを引きつけてパス。中央で受けたアラがさらに左に流し、フリーで待っていたジョヴィアルがファーポストにシュートを決めて同点に。

さらに61分にソパルスキが軽率にボールを地面に落としたところをジョヴィアルが掻っ攫ってシュートに持込み、67分にもメンデス・ダ・グラサが3人抜きから決定的なループシュートを放つなどチャンスを立て続けに生み出す。そして68分、アラの右コーナーキックからネストルがヘディングを決めて、ついにリードを奪った。

83分にはまたコーナーキックからルジュヌにコースを変えられて、ファーでフリーになっていたジュネヴォワにシュートを許し同点に追いつかれてしまったものの、その直後のカウンターで再度逆転に成功する。起点はまたメンデス・ダ・グラサで、ペナルティエリアに鋭い突破で切れ込んだところをDFがクリアし、そのこぼれ球をリヴィエールズがダイレクトでクロスに持ち込んだ。それを受けたジョヴィアルがドリブルでDF2理をかわし、決勝点をあげた。

2度セットプレーから失点するという不安定さは見せたものの、メンデス・ダ・グラサという才能を生かせる戦術とお膳立てを決められるストライカーが輝きを放ち、ル・アーヴルが見事な逆転勝利をあげた。

一方トゥールの方も11月からしばらく続いていた不調からは脱しているようだ。ブローニュから獲得したブラヤックがスタメンに入ったことで、ロングボールではなくショートパスで前線に収めることが可能となり、より攻撃の手段は増加していることが伺える。

ただし、これまで前線に2枚の黒人選手を並べて長いボールを放り込むキック&ラッシュを続けていた弊害からか、あるいはタレント不足からか、ショートパスメインの攻撃をするにはトップと2列目の連携がほとんど見られないのが致命的だ。

ディエゴもルジュヌも左足のキックの精度にかけてはリーグ・アンでもトップレベルだろう。しかし突破力や判断力といった点では物足りず、独り善がりなプレーが非常に多い。従って、ブラヤックがせっかく前線でボールを収めても、2トップのどちらかが頑張ってキープしなければならない時間が長すぎてスムーズな攻めになりにくいのだ。

序盤はギエ・ギエがゴールを量産し昇格は間違いなしと言われたが、順位も6位まで落ちてしまい試合の内容も悪い状態が続いている。ギエ・ギエも開幕6試合で8得点をあげたあとは、5ヶ月で2ゴールしか上げられず絶不調の状態。残り13試合ということを考えると昇格は難しくなった。


(筆:Qoly編集部 K)


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