エピソード

これらのように五輪では、中継を担当する局からその局の所属ではないアナウンサーの声が聞こえてくるケースが往々にあるわけですが、このことでちょっとした有名なエピソードがあります。

それは2000年のシドニー五輪のことです。この時の男子サッカーと言えば、いわゆる「黄金世代」。1999年のワールドユースで準優勝した世代が中心となるこの五輪の開幕戦で、事件は起きました。

開幕戦となる南アフリカ戦はNHKが中継を担当し、その中継内で実況を務めたのが日本テレビの船越雅史(元)アナウンサーでした。 この船越アナウンサーの実況が非常に独特でして・・・当時大きな議論を呼んだのです。

結果、この放送に対して視聴者から多数の苦情が殺到。公共放送であるNHKはこの事態を重く受け止め、再放送で異例の“実況&解説の差し替え"という前代未聞の措置を取っています(笑)。今大会でも女子の準決勝日本vsフランス戦にて、ネット上で話題になりかけていましたね。

JCは敵か味方か

まとめです。ここまでJCという枠組みの概要を大雑把に見てきました。

個人的な感想としては、こういったスポーツイベントでJCが組織されるのは、我々視聴者側からすると大変喜ばしいことだと思っています。

その理由は、単純に我々が見ることのできる競技時間や試合数が格段に増えたからです。 地上デジタル化への完全移行を終え、BS放送の受信環境も整いつつある今日では更にその要素が強くなったかと思います。 また、今大会からテレビ中継以外でも「gorin.jp」というHP上で競技をライブストリーミング配信するサービスも始まっています。 JCが一括で権利を購入した結果、こうしたオンライン配信での権利も盛り込まれたことが予想されます。

ただし、これ以上放映権が高騰すれば、そのバブルが弾ける可能性も0ではありません。 この臨界点からどのようにし放映権ビジネスがシフトしていくのか、興味深い話ではありますね。

最後になりますが、FIFAワールドカップという単独競技の大会でさえJCが組まれてしまうこの現象に、私はサッカーの大きさというか可能性をどうしても感じてしまいます。

「視聴率」という数字はもう以前ほど絶対的なものではありませんが、それでも日本人をここまで動員できるサッカーには、何か特別な力があると信じています。

日本代表戦時のTwitterのタイムラインを見ながら、そんなことを考えていたのでした。


筆者名 くわけん
プロフィール 『兵庫県西宮市在住の大学生。競技としての魅力はもちろん、文化や側面としてのサッカーの魅力を一人でも多くの人に伝えたいです。サッカー実況界の神=倉敷保雄さんと写真撮ったことだけが自慢。』
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